月曜日から金曜日の5日間、夜遅くまで残業……。「周りには定時に帰っている人がいるのに、なんで私だけ仕事が終わらないの?」と思ったことあるのではないでしょうか?
残業が多い働き方をずっと続けていると、仕事に対する“やりがい”が分からなくなってしまったり、体調を崩したりしてしまいます。
任された仕事を効率よく片付け、残業しがちな働き方から脱するためには、どうすべきなのでしょうか?今回、キャリアカウンセラーとして活躍する齋藤めぐみさんに、「仕事を効率よくこなす方法」について考えをお伺いしました。
なぜ、あの人は定時で帰れているのか?仕事の効率が良い人は「長期的視点で物事を考えている」
効率化の方法を考える前に、そもそも「効率が良い人」と「効率が悪い人」にはどのような違いがあるのでしょうか?齋藤さんによると、「短期的ではなく、長期的な視点に立って物事が考えられるかどうか」が効率の良し悪しにつながってくるそうです。
効率が悪い人ほど、「今何をしなければいけないか?」しか考えおらず、先のスケジュールが見えていないため、上司から急に仕事を頼まれると、「その仕事を最優先でこなさなければならない」と思ってしまい、取り組んでいたはずの仕事を放り出してしまうそう。結果、別の人から「あの仕事どうなっている?」と進捗を確認されたときに、「あっ、途中までしか出来ていない」ということに……。
本人はダラダラしているつもりはなく、頑張って仕事をこなしているはずなのに、その場その場で取り組むべきタスクが変わってしまうと、どうしても仕事の効率が悪くなってしまいます。また、その状態で働き続けていると、周りから「要領が悪く仕事が遅い人」という烙印を押されてしまうことも。
一方で、仕事の効率が良い人は「いつまでに何をすればいいのか、長期的な視点に立ってスケジュールを組んでいるので、途中で仕事が割り込むことがない。その結果、仕事にリズムが生まれ、効率良く仕事をこなせるようになる」と齋藤さんは言います。
では、どうすれば長期的な視点に立って仕事をこなせるようになるのでしょうか?齋藤さんが提案するのは、「優先順位をつけること」と「平日に予定を入れること」という2つの方法。
1. 効率が良い人ほど、緊急度が低く、重要度が高い仕事に時間を割く!
いつまでに何をしなければいけないのか、長期的な視点に立って仕事のスケジュールを組むとき、優先順位づけを行うことは欠かせません。齋藤さんは企業に属して働いているとき、仕事量が増えていくにつれて、どんどん効率が悪くなっていったそうです。
その際、「世界的な名著『7つの習慣』を読み、時間の概念を学び直すことで大量の仕事を回す方法を見つけることができた」と言います。
それは、自分が受け持っている仕事に対して、”緊急度“と”重要度”をつけて、自分が取り組むべきことを整理するというもの。
緊急度は低く、重要度も低い仕事はすぐにこなすべきものではない。これは多くの人が当たり前のように分かると思いますが、効率が悪い人ほど緊急度が高く、重要度が高い仕事から取り組んでしまいがち。齋藤さんは、これを「大きな勘違い」と指摘します。
大切なのは、緊急度が低く、重要度が高い仕事。いかに、この仕事に対して時間を割けるかどうかが、効率化に大きな影響を与えるそう。「緊急度が高い仕事はスキマ時間で取り組めるものが意外と多い」と齋藤さんは言い、緊急ではないけれど重要度が高い仕事から取り組むべきとのこと。
思考の時間も考えられてる?締め切りの時間だけが記載されたスケジュールは効率化に悪影響
そうと分かれば、早速スケジュールを組んで仕事に取り組みたいところですが、齋藤さんは「思考の時間も考えてスケジュールを組むのがGOOD」と言います。
仕事をしていると、「意外と考えるのに時間がかかってしまって……」という事態に陥ってしまいませんか?それは、思考の時間を確保してスケジュールを組んでいないため、思ったよりも時間がかかったという事態が起こってしまうのです。齋藤さんは「マイワーキングタイムといったように、考える時間など誰にも邪魔されずに働く時間も予定表に書くべき」と言います。
2. 平日夜に予定を入れておくことで、「早く仕事を終わらせなければ」といった気持ちが醸成される
その方法以外にも、平日夜に予定を入れることが効率よく仕事をこなすためには効果的なこと。齋藤さん曰く、「予定を入れたから効率が良くなるといったことはないけれど、予定を入れることで『早く帰ろう』という気持ちになれる。それが結果的に効率よく仕事をこなすことにつながる」と言います。
学生時代の友人と飲みに行ったり、社外の仕事仲間と飲み行ったり。縦の関係性ではなく、横の関係性を構築するという意味でも、平日に飲みに行くことは効果的だそうです。実際、齋藤さんは社内の人と遅くまで仕事をしていると視野が狭くなっていくという危機感を覚え、平日は毎日飲みに行ったり、勉強会に足を運んでいたそう。
それが結果的に、「仕事を効率よくこなすために役立ち、さらに自分の中長期のキャリアを考える上でも非常に役立った」と振り返ります。
もちろん、飲み会以外にもリラックスすることを目的にジムに行ったり、ヨガに行ったりするのもオススメとのこと。ただし、闇雲に予定を入れることはNG。「目的なく予定を入れてしまうと、いつしか早く帰ることに罪悪感を覚えるようになり、遅くまで会社にいないと……という感情が芽生えてしまう」と齋藤さんは言います。
横のつながりを増やす、リラックスする。予定を入れる理由は人それぞれかもしれませんが、きちんと目的を持った上で予定を入れるようにしましょう。
優先順位づけ、平日に予定を入れる。「強制的に締め切りを作り出す」ことで、効率よく多くの仕事をこなせる人間に!
仕事を効率よくこなし、仕事がデキる人と思われたい。誰もがそんな思いを抱きながら働いていることでしょう。しかし、いつの間にか目の前の仕事をこなすことに追われてしまい、帰る時間がどんどん遅くなっていく……。そんな状態で働いていても、仕事が面白くなることはありません。
「最近残業が多いな……」と思い始めている人は、今一度自分の働き方を見直してみてください。きっと、効率が悪い原因があるはずです。ここで紹介した優先順位づけ、平日に予定を入れるという半ば、強制的に締め切りを作り出すことで、効率よく多くの仕事をこなせる人間に。ひいては、空いた時間で自分のやりたかったことができるようになる人を目指しましょう。
※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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