※インタビュー前編はこちら↓
「ウソをつく回数」を数えたとき働き方が変わった!サラタメさんの考える「会社に求めすぎない働き方」とは
YouTube動画は当時のつらかった自分へのアンサー
――サラタメさんは以前ブラック企業で働いていた時、パワハラ上司との人間関係に悩まされたそうですね。
サラタメさん:はい、かなり悩みました(苦笑)。ずっとやりたかった仕事に就くことができても、一緒に働いている人次第では全然楽しめない、という気付きがありましたね。
その上司のパワハラはちょっと病的で、他の社員の前で怒号を浴びたこともありましたね。「小学生の息子の方がよっぽどできるわ」など、自分の能力を全否定するような言葉をしょっちゅう言われてました。
――それは悪質ですね。どのように対処していたんですか?
サラタメさん:言われるままではなく、部分的にだけでも主導権を握ろうと努力しました。全権を掌握するリーダーと、それをただ聞くだけのメンバーに役割が固定されてしまうと、メンバーは何も言えなくなってしまうんです。
なので、自分が得意な分野では自分がリーダーシップを発揮して、「これ全部やります」と業務を巻き取ったりしていました。
――周囲の同僚などからサポートはありましたか?
サラタメさん:はい、パワハラ上司の噂が広まっていたらしく、人事部の配慮で別の部署に異動させてもらいました。そのサポートがなかったら、精神的に潰れていた恐れもありますね。
私は、ギリギリの抵抗を見せる体力は残ってましたし、会社からのサポートも受けられたのでラッキーでしたが、あれはあくまでラッキーだったかなと。今振り返ると、「全速力で逃げる」という切り札を、もっと早く使ってもよかったなと思ったりします(笑)
――そういった経験も現在のYouTuberとしての活動に活かされているのでしょうか?
サラタメさん:もちろんです。チャンネル内でいろいろな書籍を紹介していますが、それらの多くはブラック企業で苦しんでいた時の自分に向けて選んだ本です。
あの時が一番困っていて、誰かに答えを教えてほしいと思っていたので。私は、当時のつらかった自分のために動画を作っているのかもしれません。
YouTubeは会社のようにぬるくはない。批判がプラスのエッセンスに変わる
――動画を投稿していると批判コメントもあると思いますが、どのように感じていますか?
サラタメさん:時には、「分かりにくい」「声がウザい」など批判的なコメントもありますが、ネガティブな感情はあまりないですね。
むしろ、コメントを書くために時間を使ってくれてありがとう、と言いたいです。自分がYouTubeを見ていてコメントすることはほとんどないので、時に耳を傾けつつ、いち意見として取り入れることもあります。
――逆に嬉しいコメントはどんな内容ですか?
サラタメさん:「感動しました」などの感想も嬉しいのですが、もっと嬉しいのは「私もやってみました」というコメントです。私の動画は主にノウハウを伝える内容なので、誰かの行動を少しでも変えられたときに喜びを感じますね。
転職ノウハウを伝えるチャンネルでは、「動画を参考にして転職できました!」と言ってもらえたことも。
――YouTuberならではの達成感ですね。会社で働いていて直接ユーザーの声が届くことはそれほどありませんからね。
サラタメさん:私のチャンネルを見てくれる人は大人なので、厳しい意見でも理にかなっていることが多いんです。「この部分が違います」などのコメントも、自分の勉強になります。すごく頭のいい友達にお気に入りの本を紹介して、その感想をもらっているような感覚ですね(笑)。
――サラタメさんの動画は、本の内容をコンパクトに分かりやすく伝えていますが、情報を上手くまとめるコツなどはあるのでしょうか?
サラタメさん:気になった内容を一度“カゴ”に入れて、そのほとんどを思い切って捨てるようなイメージです。
大事なポイントをたくさん聞いても覚えられないし、それを行動に移すことなんてまず無理。やりすぎなぐらい内容を捨てると「スッキリまとまっている」と褒めてもらえることが多いですね。
“カゴ”に入れた情報のうち実際に使うのは、2〜3割ぐらいですね。誰かの行動を変えたいなら、ギリギリまで情報をコンパクトにそぎ落とすことが重要だと思います。
――YouTuberを始めて良かったと思うのはどんなことですか?
サラタメさん:今までの会社員生活では話せなかったような人と出会えることが何よりも嬉しいですね。
大企業で会長を務めるDMMの亀山さんや、LINEの元執行役員の田端信太郎さんとの交流は、とても刺激になります。亀山会長は天才肌で、スポーツをするように直感的にビジネスを捉えていたので、度肝を抜かれました。
サラタメさんが考えるワークライフバランス
――サラタメさんにとって、理想の働き方とは?
サラタメさん:「細く長く楽しく働く」ことが大切かなと思っています。「働くことが悪」「サラリーマンはオワコン」みたいな考え方だと、「大金を稼いで不労所得で暮らす」ことがゴールになりがちですが、それは明確に間違っていると思います。
例えば、不労所得がたくさんあって、早々にリゾート暮らしを始めたとしても数年もしたら絶対に飽きると思います。一方で、仕事は、そんなリゾート暮らしより楽しめる可能性を秘めていると思います。
理由は、誰もが逃れられない「承認欲求」が満たされるからです。
人を蹴落としてまで大金を稼ぐことよりも、緩やかな右肩上がりでいいので、誰かのためになると確信できる仕事をした方が、承認欲求が満たされると思います。それが「楽しい」に、言い換えれば「幸福度」に直結するわけです。
今から10年後、20年後に、承認欲求が刺激され幸福度が高い仕事に就けるように、20~30代から自分の強みを活かした小さなチャレンジを継続していくことが非常に大事なんだろうと思っています。
――サラタメさんにとっての「はたらく」とは?
サラタメさん:ひと言で言うと、「最悪で最高」ということですかね。働く楽しさやモチベーションは、職場の環境ですごく振れ幅が大きいということを、これまでのサラリーマン生活で学びました。
死ぬほどつらいこともあれば、遊ぶより仕事が楽しいときもあります。
――「はたらくことは最悪で最高」。いいキャッチフレーズですね。
サラタメさん:私が教訓にしているのは、仕事で最悪に落ちるときもあるけど、それがずっと続くわけではないということ。
逆に、最高の瞬間に何かのきっかけで転げ落ちることもあります。そんな緊張感があるのも、働く醍醐味だと思います。
――最後に、はたらくビジネスパーソンに向けてメッセージをお願いします。
サラタメさん:お伝えしたいのは、転職についてですね。年収にこだわりすぎると、企業理念などをないがしろにして、自分のポリシーと合わない企業を選んでしまう可能性があります。
会社にお金を求めすぎず、副業も視野に入れながら柔軟にキャリアを考えることが今の時代に合っているのではないかと思います。
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「ウソをつく回数」を数えたとき働き方が変わった!サラタメさんの考える「会社に求めすぎない働き方」とは
【プロフィール】
サラタメさん
サラリーマンとして働きながら、ビジネス系YouTuberとしても活動。会社員としては大手ブラック企業からホワイト企業に転職し、現在はマーケティングの仕事に従事。YouTubeでは、同年代の20〜30代のサラリーマンに役立つ書籍紹介や、自身の転職経験を基にしたハウツー動画を投稿。スタートから約2年でチャンネル登録者数は53.1万人を越える(2021年2月9日時点)。
YouTube:https://youtube.com/channel/UCaG7jufgiw4p5mphPPVbqhw
ブログ:https://salatame.co.jp/tenshoku/
取材・文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
写真=加藤謙樹
編集=山田卓立
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