「給与・待遇」に次いで、「仕事内容」への悩みが増えてくる社会人10年目
給与・待遇…31.1%
仕事内容…18.0%
人間関係…16.0%
労働時間(残業時間・休日など)…8.3%
勤務地…2.9%
その他…2.9%
特にない…20.9%
社会人10年目の皆さんに、職場や仕事についての不満や悩みを聞いてみました。アンケートの結果、31.1%の人が「給与・待遇」に不満を持っているようです。具体的には、「賞与の仕組みに納得がいかない」「休みが取りづらく、有給など福利厚生が薄い」「少しずつ賞与が下がっている」などの声がありました。
次に多かったのが「仕事内容」という回答で、18.0%の人が不満を抱いているようです。「これまでの仕事に加え部下の育成なども必要になり、仕事量が増えてきた」「毎日同じことの繰り返しで成長を感じられない」「業務範囲が広く、一つひとつのスキルを強化していくことが難しい」、といったコメントがあがっていました。
社会人7年目の皆さんへのアンケートでは、最も多かった答えは「給与・待遇」で37.4%。次に多かったのが「人間関係」の17.7%。「仕事内容」は11.3%という結果でした。給与・待遇についての不満や悩みは社会人10年目になっても変わらないものの、長い業務経験を経たことで仕事内容が増えたり、部下の育成などの新たな業務が求められることに、悩んだり不満を持っている10年目の人が多いのかもしれません。
それでは社会人10年目の皆さんは、この不満や悩みを解消するために何か対策を講じているのでしょうか?
他者への相談の機会が減ってきた? 悩みの解決に転職活動を選ぶ10年目
ある…37.4%
ない…62.6%
社会人7年目の皆さんへのアンケートでは、「ある」と答えた人が28.1%しかいなかったのですが、社会人10年目では37.4%の人が不満や悩みの解消のためになんらかの手を打っているようです。
転職活動…26.2%
家族や友人に相談…26.2%
上司や同僚に相談…13.1%
セミナーやイベントに参加…13.1%
副業…8.2%
その他…13.1%
「転職活動」「家族や友人に相談」と答えた人が、それぞれ26.2%という結果に。「家族や友人に相談」「上司や同僚に相談」と答えた人の割合を足すと、39.3%の人が誰かに相談しているという結果になりました。
社会人7年目の人へのアンケートでは、「家族や友人に相談」と答えた人が31.2%、「上司や同僚に相談」と答えた人が18.8%で、半数の人がなんらかの形で誰かに相談しているという結果でした。
今回のアンケートでは39.3%だったことから、社会人経験が長くなればなるほど、家族・友人・上司・同僚など、他者への相談が難しくなってくるのかもしれません。
確かに、社会人10年目といえば仕事が忙しくなったり家族ができたりして、友人や上司と飲みに行ったりゆっくり食事に行く機会も減ってくる頃。しかも現在は新型コロナウイルスの影響で、会食や飲み会なども少なくなっていますから、余計その傾向が強くなっているのかもしれません。また、業務量が増えれば家に帰るのも遅くなり、家族との会話が減っているという人もいるでしょう。
約7割が職場の人間関係は「(どちらかといえば)良好」
次に、社内の人間関係についても聞いてみました。
良い…22.8%
どちらかといえば良い…50.0%
どちらかといえば悪い…13.6%
悪い…3.4%
どちらともいえない…10.2%
「良い」と「どちらかといえば良い」を合計すると72.8%、「悪い」と「どちらかといえば悪い」を合計すると17.0%という結果になりました。
人間関係が「良い」と回答した人たちのコメントとしては、「相談すれば答えてくれる、雑談もできる雰囲気もある」「普段から協力して働く事ができている」「残業しなくてよいなど、育児へのフォローなどもしてもらえている」などと、部署のメンバーがそれぞれに尊重しあって協力ができているようです。
人間関係が「悪い」と回答した人たちからは、「メンバーがすぐに入れ替わる」「上司が部下を見ていない」「スタンドプレーな人が多い」「上司が上の意見ばかり忖度してスムーズに業務が進まない」なとの意見があがっていました。
やはり、良い人間関係を保つには、上司と部下がお互いに尊重しあい、お互いにフォローしあって業務を進めていくことが重要なようですね。
約9割が後輩や部下と「(どちらかといえば)良好」な関係を築いている!
次に、社会人10年目の皆さんに、後輩との関係についても聞いてみました。社会人10年目の皆さんは、後輩とどのような関係を築いているのでしょうか? 日常の業務の中で接する後輩や部下がいる皆さんに聞きました。
良い…32.4%
どちらかといえば良い…57.4%
どちらかといえば悪い…3.7%
悪い…0.9%
どちらともいえない…5.6%
「良い」と「どちらかといえば良い」を合計すると89.8%、「悪い」と「どちらかといえば悪い」を合計すると4.6%という結果になりました。約9割の方が後輩と良い関係を築いているようですね。
では、社会人10年目の皆さんは、後輩や部下をどう思っているのでしょうか?
「時代が変わったと思う」
「仕事に対する姿勢が自分たちとは違う」
「遠慮している。積極性がない」
「言われないと動けない。わかったふりをする。でもコミュニケーションがうまい」
「言葉使いや返事の仕方が昔と違い、友達感覚になっている」
「自分たちの頃よりしっかりしている」
「自分の意見をよく言うし、即戦力だと思う」
やはり、自分たちの若い頃とは考え方や働き方が違うと考えている人が多いようです。不満がないわけではないけれど、彼らの良さを認めているコメントが目立ちました。
最後に、後輩や部下にとってどんな先輩でありたいか、後輩や部下にどのように育っていってほしいかを聞いてみました。
「どのように指導すれば円滑かつ効率的に業務を教えることができるか考えている。的確なアドバイスができるようになりたい」
「自分が新人の頃の先輩は、私がしたミスをカバーして、まるでその人がミスしたかのように関係者に謝罪してくれた。先輩は後輩を守るものと態度で教えてくれた。その先輩のようになりたいと思う」
「話しやすく仕事を聞きやすい先輩でありたい。後輩が意見を言いやすい環境を作るようにしている」
「社内の悪しき風習に染まらず、自分の意見をしっかりもって仕事ができる人になってほしい」
皆さんのコメントからは、部下や後輩と接し方に悩みつつも、彼らのために良い先輩になりたい、的確な指導をしていきたいという意欲がうかがえました。その思いが、部下や後輩との関係を良好に保つ秘訣なのかもしれません。
文=松村知恵美
編集=TAPE
■調査概要
実施期間:2020年9月16日~18日
手法:インターネットアンケート
モニター:Fastask
サンプル数:206名
対象:全国の30〜39歳の入社10年目社会人男女 会社員・公務員
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