仕事をしていると、ついやってしまいがちな簡単なミス。「同じことはしないように……」と思っているものの、気付いたら、同じミスを繰り返してしまう。皆さんにも、こうした経験があるのではないでしょうか?
効率よく仕事を進めていくためにも、ミスの数は出来る限り減らしたいもの。そこで今回、心理カウンセラーの大野萌子さんに、ミスを繰り返してしまう原因を伺いました。
まずは体調管理が第一!疲れが溜まっていれば、簡単なミスも増えて当たり前!
なぜ人はミスを簡単なミスを繰り返してしまうのでしょうか?「単なる不注意だった」という理由で片付けることは簡単ですが、その原因を把握しなければ、結局のところ、近いうちにミスを繰り返してしまうのが関の山でしょう。
大野さんによると、ミスを繰り返してしまう原因は2つあると言います。一つ目は「疲労による集中力の低下」。毎日同じ体調で仕事ができれば苦労はありませんが、ほとんどの人は寝不足や眼精疲労など、体のどこかに疲れを溜めてしまっているもの。その状態では集中力が低下してしまうのは当たり前のことですし、ミスも増えてしまうでしょう。
簡単なミスを繰り返さないためにも、まず出来ることは体調管理。大人たるもの当たり前のことかと思うかもしれませんが、忙しさにかまけて、体調管理が疎かになっている人は多くいます。早く寝る、湯船に浸かる、野菜を摂取する。簡単なことでも構いませんので、健康的な生活を送るようにしましょう。
疲れだけじゃなかった!人間関係といった人的ストレスが仕事のミスにつながっていく
二つ目の原因は、意外にも社内の人間関係。厚生労働省による調査によると、働く人の不安やストレスの原因の第一位に、「人間関係」が挙がっているとのこと。大野さん曰く、「この原因は、毎回、断トツの1位。2、 3位は「仕事の質」「仕事の量」と続くのですが、実際、この2つの項目も人間関係の影響を受けていることが多くあります。ですから、ミスを繰り返してしまう原因として職場内の人間関係も考えられるのです。」
きちんと、上司から指導を受けられなければ、仕事の質が下がってしまいますし、協力が得られなければ仕事の量が増えることにもつながります。また、コミュニケーションなど、日頃のやり取りが負担になっていることも。物理的な問題だけではなく、実は人間関係といった人的なストレスによる心理的負荷が、ミスを多発させる要因になっているのです。
「心理的負荷がかかると、ストレスフルな状態になります。気持ちと身体は、連動しているので、気持ちの影響を体はもろに受けます。人間関係で緊迫した状況が起こっていれば、自分のパフォーマンスを出すことができません。見られていることによって緊張したり、叱責されることによって萎縮したり恐怖を感じたりすることもあります」と大野さん。
このように、自主性が重んじられない職場であればあるほど、「やらされている感」が強まり、自ら動く、自ら考えると言う意識が希薄になっていくとのこと。その状態に陥ってしまうと、問題が起こったときに修正することが難しく、ミスにつながってしまうことも多くなってしまいます。
仕事のミスは自分の不注意で発生してしまうものと思われがちですが、意外にも職場の人間関係が原因になっているのです。ミスを繰り返してしまうあなた、職場の人たちとうまくコミュニケーションをとれていますか?もし、とれていないのであれば危険信号です。とはいえ、何をすればいいのか分からないと思います。解決策を大野さんに伺いました。
ミスをしないためには何をすればいい? 答えは行き違いのないコミュニケーションをすること
大野さんによると、解決策は2つあるとのこと。一つ目の解決策は行き違いのないコミュニケーションをとること。仕事をそつなくこなすためには、人間関係の円滑なコミュニケーションが不可欠。苦手な人は、どうしても周囲の人との接触を避けがちになり、確認作業を怠ってしまいがち。
しかし、これでは確認ミスや、伝わらない指示で、ミスが発生することも多くなってしまいます。ミスが発生する状況を生み出さない状況を作り出すには、行き違いのない、相互理解のコミュニケーションを構築していくことが大切。「確認・質問・分かる言葉で伝える」。この3点を意識するだけでも、だいぶコミュニケーションが改善されるはずです。
居心地の良い働きやすい場であればリラックスして仕事に臨むことができ、自分の力も発揮されやすくなるでしょう。
もう一つの解決策は「プロ意識」を持つこと。プロ意識と聞くと少し安易に聞こえるかもしれませんが、大切なのは自分の仕事に責任を持ち、積極的に周りを巻き込んでいくことです。常に受け身でいれば、やっつけ仕事になってしまいがち。それでは、ミスも起こってしまうでしょう。自分の仕事に対してプロ意識を持つことで、やりがい、楽しさ、達成感を見出していくことができ、自然とミスも減っていくのではないでしょうか?
大切なのは周りとの連携。自分一人で仕事を背負いこまないことがミスを減らす
一度、ミスをしてしまうと、「次は同じことをしないようにしなければ……」と自分のことを自分で追い込んでしまいがち。過ちを繰り返さないためにも、自分を叱責することは大切ですが、それだけですと、かえってミスを増やすことにつながりかねません。
何より大切なのは、相談できる人、協力してくれる人を作ること。そうすることで、物事を複眼でとらえやすくなり、ミスを事前に防ぐことが可能になります。さらに、信頼できる上司や仲間が居ると気持ちも安定してくるでしょう。
良い仲間がいれば、モチベーションも上がり、上司から認められれば、意識も上がります。情報過多と、期限や責任のプレッシャーに押しつぶされないよう、周りとの連携を取り、協力体制を得て、心身ともにゆとりを持って仕事をすることがミスを減らしていくのです。
※この記事は2016/11/04にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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