ベトナム、インドネシア、タイ…やりがいのある仕事は東南アジアに!? 世界に広がる日本人の就職先

「やりがいのある仕事が見つからない……」そんな悩みをお持ちの皆さん、働く場として東南アジアに目を向けたことはありますか?

ベトナム、インドネシア、タイ…やりがいのある仕事は東南アジアに!? 世界に広がる日本人の就職先

「やりがいのある仕事が見つからない……」そんな悩みをお持ちの皆さん、働く場として東南アジアに目を向けたことはありますか?

海外就職研究家の森山たつをさんは、20代のビジネスパーソンが海外で働くこと勧めています。なぜ若者にとって東南アジアが働く場として魅力的なのか、また、現地で働くために必要な3つのスキルは何か、森山さんに伺いました。

スキルを上げたいなら欧米よりも東南アジア


アジア、それも東南アジアで働くことを推奨する森山さん。その理由を次のように話しています。

「海外で働くといっても、例えばアメリカや欧州などは成熟した市場であるため、熟練の優秀な技術者やビジネススキルに長けた人材が求められています。そこに20代が参加することはありますが、事業のほんの一部でしか関われないでしょう。シンガポールや香港などもそれに近い状況です」

「一方で経済に勢いのあるベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアあたりでは、日本人向けの求人がたくさんあります。これらの東南アジアの国々は、人材が足りていないことなどから、社会人3年目ほどの若者であっても、大きな責任のある仕事が与えられるので、スキルが必然的に上がるのです」

グローバルに働くことを考えると、欧米の企業で働く姿を思い浮かべがち。しかし、欧米よりも東南アジアで働くほうが、やりがいのある仕事を任せてもらえ、スキルアップにつながるのだと言います。

生活の質も大丈夫


東南アジアで働くとなると、気になるのが“物の豊かさ”。コンビニやスーパーでいつでも何でも買うことができる生活に慣れていると、東南アジアでの生活には困るのでは……という不安もあるでしょう。

しかし森山さんによれば、そこまで心配をしなくてもいいそうです。

「東南アジアは物質的にも豊かになってきたので、日本とかけ離れた生活をしなくてもいい状況です。例えばホーチミンにはイオンモールができました。バンコクは、さながら東京のような大都会で、日本のチェーン店は何でもあるような状態です」

必要な3つのスキル


では、東南アジアで就職するにあたって、具体的にどんなスキルが必要になってくるのでしょうか。

「原則として、品質管理、時間管理などの日本人のビジネスパーソンとしての基本スキルは必須。その上で、海外就職に特化した以下の3つのスキルが必要だと思います」(森山さん)

1.日本とは違う環境でも問題なく生活できるスキル

衛生環境など、日本とは異なる環境になじむことができるのかは不安になる点ですよね。しかし、森山さんによると、そこまで気にする必要はないとのこと。

「『途上国の不衛生な生活なんて無理!』と考える人もいるかもしれませんが、実際にやってみると1週間で慣れます

「例えば先進国にしか旅行したことがない女子大生が、私が実施している研修のためカンボジアの首都プノンペンに1カ月滞在したとき、当初はヤモリやムカデを見て仰天していたのですが、すぐに慣れていました。一度この『慣れ』を体験すると、面談や面接などで『途上国だけど大丈夫?』と聞かれたときに、『問題ありません』と自信を持って答えられるようになります」

2.「海外での常識は日本の非常識」を許容するスキル

海外でビジネスをするときに、その土地の常識を知っていることは大切。その国の常識を受け入れるためにも、「これは非常識だ!」と固定観念を持ってしまわないように、気を付けなければならないと森山さんは言います。

「ある国でカレーパンを作ろうとしたとき、その国の人はパンに練乳を入れました。また、ラーメン屋さんに連れていくと、とんこつラーメンに砂糖を入れ始めました。このように、海外での常識は日本の非常識であることがあります」

日本人が好むオリジナルを良いものだと決めつけてはいけません。現地の人が何を好むかを知り、日本人としての固定観念やプライドのようなものは捨てて、現地好みに合わせられる、あるいは変えられる勇気が必要です。これがあると、現地でのマーケティングや開発要員として抜てきされる可能性がでてきます」

3.自分で実際に動いて実績をつくるスキル

就職や転職で評価されるのはTOEICの点数や資格だったかもしれません。しかし森山さんは、東南アジアで働くためには、そうしたスキルや資格を通じて何をしたかが重要だと言います。

「『英語力はTOEIC900点』よりも『英語で◯◯をしました』と伝えることが有効ではないでしょうか。つまり、ビジネス系メディアで読んだような絵空事よりも、たとえ小さなものだったとしても、“自分で体験して自分の言葉で話す”ことができる実績が必要だと思います」

「極端な例ですが、屋台を自分で引っ張って日本のおにぎりを売り歩いたということでもいいでしょう。とにかく、実際のビジネスを自分で行ったといえる実績を持つこと。思い違いをする人が多いのですが、それはボランティアではダメ。ボランティアは無償なので、感謝されるのが当たり前です。そうではなく、金銭のやりとりのある、ビジネスであることが重要です」

20代は東南アジアでキャリアアップ


東南アジアで働いてみると、日本では得られない経験を得ることができるはず。もし、やりがいのある仕事をしてみたいと思っているなら、20代のうちに東南アジアで働いてみるのはいかがでしょうか。


※この記事は2015/05/25にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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