2014年の新しいお仕事!「プロYouTuber」の求人票

IT技術の進化で、PCだけでなくスマートフォンなどでも手軽に動画を視聴できる環境が整ってきました。

2014年の新しいお仕事!「プロYouTuber」の求人票

IT技術の進化で、PCだけでなくスマートフォンなどでも手軽に動画を視聴できる環境が整ってきました。

それに並行して動画の需要がWebかいわいで飛躍的に増加するなか、「YouTube」の動画アフィリエイト広告で収入を得る、通称「YouTuber」と呼ばれる人が出現しています。
中にはその収入のみで生活をする「プロYouTuber」もおり、大企業とタイアップするなど、今注目を集めています。

では具体的に「プロYouTuber」のお仕事はどのようなものなのでしょう。「プロYouTuber」のMEGWINこと関根剣さんにお話を伺い、求人票にまとめてみました。

「プロYouTuber」の求人票


■職業名:ハイパークリエーター
■所属企業:株式会社MEGWIN TV
■就業場所:東京
■仕事内容:映像製作
■就業時間:フリー
■休日:毎日
■有給休暇:なし
■給料:アフィリエイトによる歩合給
■手当:なし
■就職倍率:1倍

収入的には多少不安定だけど、自由度や楽しさは抜群


--日本国内で「プロYouTuber」として生計を立てている人の数はまだ確認されていませんが、おそらく数十人程度ではないかと推測されているようです。関根剣さんはそもそもどういうきっかけで「プロYouTuber」として活躍できるようになったのでしょう。

「ブログがはやっていたときに動画の時代がくると思い動画投稿を始めたのがきっかけです。2005年に仲間たちとオリジナル動画を製作・配信するインターネット放送局『MEGWIN TV』を開局しました。以来毎日オリジナル動画を投稿し続けたのですが、それが企業さまなどから注目されるようになりました。やがて大手の企業さまから出資していただくことが決まり、2011年から『MEGWIN TV』を法人として運営できるようになりました」(関根剣さん:以下同じ)



--まさに一から、アイデアと独創性で生み出した新たなビジネスをと言っても過言ではないでしょう。気になる主な収入源は、やはり動画アフィリエイトでしょうか? だとしたら、収入はやはり不安定になるのではないでしょうか?

「『主な』ではなくすべて収入はアフィリエイトです。ただ、注目を集める動画を発信し続けることで企業さまの側からコンタクトしてくる場合がほとんどです。つまり自分たちから営業する必要が無いんです。ひたすら動画制作に集中し、発信することでスポンサーを獲得していくことができます。つまり、自分のやりたいことに集中しながら収入が得られる魅力があります。PCとカメラがあれば初期費用もほとんどかかりません。

確かに収入面には不安定な要素はあるけれど、センスひとつ、そして発信を継続することが営業となり、スポンサーを獲得できるというのは、動画制作が好きな人などにとって大いに魅力のあるビジネスです。現段階で自分のスタイルのものをマネタイズできるのはYouTubeだけなので、ありがたく使用させていただいてます」

--ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

「休日は自分で設定できるし、仕事をする場所も選びません。とても自由度が高い仕事であることは間違いありません。またネットは世界中とつながっていますから、多くのクリエーター同士の交流ができることも楽しく、魅力的です」

あくまでもビジネス、いいことばかりじゃない?


関根さんのお話を聞いていると、なんだか悔しくなってしまうぐらいうらやましいですね。しかし、やはりいいことばかりではありません。次のようなデメリットがあるとのこと。

「いわゆるビジネスらしさが薄いのか、世間になかなか仕事として認めらない側面はありますね。そして自由な条件のなかで動画制作だけを仕事にしているので、次の職には就きにくいでしょう。そして先ほど紹介した営業面などのメリットがあるとはいえ、浮き沈みの激しさはどうしても付いて回ります」

新しいビジネス、そしてこれまでネット動画というのはあくまでも娯楽として楽しまれていたことなどの背景から、まだ世間に認知されていないことがデメリットにつながっているようです。また高い自由度が転職へのハードルになっているというのも、痛し痒しといったところでしょうか。

「プロYouTuber」はこんな人におすすめ


新たなビジネスとして注目されている「プロYouTuber」ですが、どんな人が向いているのでしょう。

「いわゆるクリエーター気質な人ではなく、世間の流行に合わせて方向が変えられる人の方が向いていると思います。作品の完成度へのこだわりは大切ですが、広告としての役割に順応できるセンスとでもいいましょうか。あとは、やはりまめな人です。毎日の発信や、身近にある面白いものにすぐさまカメラを回すことで、動画制作はどんどん広がっていきますから。そしてすでに手に職がある人や、売り物がある企業におすすめですね。アイデア次第で、ほぼ経費ゼロで技術や商品をネット上に紹介することができます」

既存のビジネスとは似て非なる要素が、「プロYouTuber」ならではの資質として必要なようです。
最後に関根さんから、次のようなメッセージをいただきました。

「今がYouTubeを始めるラストチャンスです! これから先はYouTubeに動画を投稿する人が増えていくので、今始めましょう。まだ誰も始めていないオリジナルの動画を作れば一気にトップへ登れる可能性も十分あります」

さすが時代の流れに敏感なクリエーターだけに、先を見越したアドバイスです。ITの世界は、日進月歩。「プロYouTuber」になるなら、まさに今しかないのかもしれません。

 

識者プロフィール


関根 剣(せきね・けん)
1977年生まれ。臨床工学技士として病院に勤務していたが退職。その後牧場で働きながら北海道を放浪し、一時期お笑いコンビ「わびさびわさび」として活動していた。2005年、クリエーターたちとオリジナル動画を製作/配信するインターネット放送局『MEGWIN TV』開局。以来毎日オリジナル作品を配信している。2011年、タニタの出資により法人化。株式会社MEGWIN TVを設立。


※この記事は2014/06/05にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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