書店の棚づくりに学ぶ、ビジネスニーズを先読みする4つのポイント

皆さんは書店にお目当ての本を買いに行ったとき、近くにあった本が気になって思わず一緒に買ってしまった、なんて経験ありませんか? それもそのはず、書店では顧客のニーズをくみ取り書店員さんが工夫をして本を陳列しているから。

書店の棚づくりに学ぶ、ビジネスニーズを先読みする4つのポイント

皆さんは書店にお目当ての本を買いに行ったとき、近くにあった本が気になって思わず一緒に買ってしまった、なんて経験ありませんか? それもそのはず、書店では顧客のニーズをくみ取り書店員さんが工夫をして本を陳列しているから。

こうしたアンテナの張り方は、ビジネスにおいても汎用(はんよう)性があるといえそうです。そこで、LIBRO池袋本店でビジネス書のセレクトに携わっている小国貴史さんに、トレンドを先読みして、ニーズに応える情報収集の秘訣(ひけつ)や提案のポイントを教えてもらいました!

【ポイント1】複数の雑誌を同時並行的にチェックする


「週刊誌、特にビジネス系雑誌の『週刊ダイヤモンド』や『週刊東洋経済』、『プレジデント』あたりはチェックします。どんな特集が組まれているかで、ビジネスパーソンの最新のニーズがどこにあるのかを考えます。同じテーマの特集が、異なる雑誌で連続して掲載されていると、時代の潮流のようなものを感じます」(小国さん)

複数の情報源をチェックし、そこで共通している話題を探ることで、世の中のトレンドやマーケットの動向を読み解くことができるということなんですね。

【ポイント2】新聞の書評欄と売り上げを照らし合わせる


「新聞の書評欄は欠かさずチェックしています。例えば、日曜日の書評欄に掲載された本。それらが週明けにどれだけ動くのか、もしくは動かないのかを注視すると、見えてくるものがあります」(同)

最近はWebメディアが主流になったとはいえ、自身のビジネスに関係の深い業界の新聞記事やそれにまつわるテレビ番組の情報を取りこぼさずチェックすることは、ビジネスパーソンにも必要不可欠といえそう。

【ポイント3】『Twitter』や『価格.com』などの口コミをチェック


「インターネットは、雑誌や新聞よりも、より細かいところを見ていくのに役立ちます。『Twitter』は、本当に知りたい細かいワードでも検索できたりするので重宝しています。他にも意外と知られていないのが、『価格.com』の“テレビ番組で紹介された本・コミック・雑誌”というサービスです。これを見ると事細かにテレビでのことが分かるので、ありがたく使わせていただいています」(同)

ユーザーのニーズをTwitterや検索サイトの人気急上昇キーワードなどから探したり、自社や競合の評価を比較サイトでチェックするのも参考になりそうですね。「口コミ」が簡単に調べられる時代だからこそ、こうした部分にまで抜かりなくアンテナを張れるかどうかで、ビジネスパーソンとしての情報察知スキルの差が出るといえそうです。

【ポイント4】定番ではない書籍を紛れ込ませ、未来のニーズを予測


「売れ線や定番の本を20冊陳列するときに、自分が目を付けている本を1、2冊紛れ込ませます。これらの動きをチェックすると、新たなニーズの発掘につながります。例えば、今では“新しい働き方”をテーマにした本がたくさん並んでいますが、数年前までは先に挙げたように紛れ込ませて売っていたような本でした。このように、時代の流れをつかむことができるとやりがいを感じますね」(同)

なるほど。マスメディアのニュースからミクロな視点での口コミの調査、そして書店での売り上げの反応などを考慮して、書店のラインアップが決まっているというわけですね。

クライアントに企画を提案する機会の多いビジネスパーソンにとって、示唆に富む書棚をつくる書店員さんの動向分析の方法。参考にしてみてはいかがでしょうか。


※この記事は2014/03/17にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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