あなたは毎日バランスの摂れた食事をとっていますか?
オフィス内に小型冷蔵庫を設置し、社食として安くて手軽、それでいておいしいお惣菜を提供するサービスを展開している「オフィスおかん」。
今では企業で働く多くのビジネスパーソンたちの健康を支える、うれしい福利厚生事業の一つとしてその名をはせています。お母さんの味を思いだすような、安心・安全なお惣菜はどんなオフィスで開発されているのでしょうか?
今回はオフィスおかんに伺い、その魅力的なサービスはどのような空間から生まれているのか、コーポレートグループ責任者の中村さんにお話を聞いてきました。
働きながらでも健康的な食生活を送れるサービスを提案したい
―オフィスおかんは、和惣菜を中心とした社食型の設置サービスということですが、なぜこのようなサービスが生まれたのでしょうか?
中村竜典さん(以下、中村):代表取締役CEOの沢木がまだコンサルティング会社で働いていた時代、終電で帰るどころか終電で出社するほど多忙な毎日を過ごしていたそうなんです。そのあまりの忙しさから、お菓子を食事の代わりに食べるほど食事が偏ってしまったとか…。
そのような生活を続けているうちに、「働きながらでも、健康的な食事がとれたらいいのに」という意識を持つようになりました。
そして、沢木の同僚が福井県のお惣菜屋さんの婿養子になったのをきっかけに、そちらと提携をして2013年に個人向けの宅配を実施したのが“おかん”の始まりです。
―企業向けの宅配を軸にサービスを提供されていますが、現在は何社の企業がサービスを利用されているのでしょうか?
中村:500社ほどの企業にご利用いただいています。ありがたいことに、2015年と比べて3倍ほど数は増えています。
―そこまで利用社数が伸びている理由はなぜでしょうか?
中村:健康的な食事をとることは体調管理がしっかり行え仕事の効率化にもつながりますし、社員への支援として企業が取り入れやすいということが一番の理由ではないでしょうか。
あとは、お惣菜自体が小包装になっているので、社内で召し上がる以外にも、持ち帰って夕飯のおかずにする方もいらっしゃいます。社内外のさまざまなシチュエーションで利用できるということが支持されている秘訣(ひけつ)だと受け止めています。
季節変われば献立も変わる! 定番は、男性はお肉料理、女性は野菜料理
―ちなみにお惣菜はどんなものを扱っているのでしょうか?
中村:常時20種類程度を扱っているほか、毎月6品ほど新しい商品に入れ替えています。今の寒い時期は、わらびや里芋を使った山菜メニューの他に、おでんをはじめとした温かいお惣菜メニューも充実させています。
―お惣菜はどのような点にこだわっていますか?
中村:オフィスおかんでは、日本全国のお惣菜メーカーさんが、その土地で親しまれてきた素材を生かし、おいしさにこだわって、丁寧に製造した商品を提供しています。国産原料を優先し、旬の食材を多く取り入れることで、オフィスにいても四季の味を楽しんでいただくことができます。
添加物を厳密に制限しており、健康面にも配慮しています。“オフィスにいながらおいしく、健康的で、優しい気持ちになれる”、そんな食事をしてもらえるように心がけています。
―中村さんお気に入りのお惣菜は何ですか?
中村:時期によって取り扱いが異なりますが、マイルドな辛みとジューシーさが絶品の「タンドリーチキン」や、母の手料理のような懐かしさが味わえる「里芋の煮ころがし」が好きですね。あとは、おやつ代わりにサツマイモの甘さを感じられる、「しっとり甘おさつ」をよく食べています。
―男女によって人気のメニューは変わりますか?
中村:男性ではお肉商品が人気ですね。女性はお弁当を持参する方も多いので、根菜の煮物など野菜を中心とした惣菜を一品足して召し上がる方もいらっしゃいます。
社内のコンセプトは“おかえり”
―オフィスの入り口で靴を脱いでスリッパに履き替えるというアイデアは面白いですね。
中村:社外の方が来訪された際にくつろいでいただけるように、オフィスは“おかえり”をコンセプトにしています。そのため、家の玄関と同様に入り口で靴を脱いでいただいて、オフィスの中で少しでもリラックスできるようにしているんです。
冬は暖かいスリッパを履いている社員もいますが、夏はラフに裸足で過ごす社員もいます。まさに家のような感覚ですね(笑)。
弊社では、社員同士のチームワークを大事にしながらも、それだけにとどまらず、より強い関係を築きたいという思いがあります。例えば、お母さんのように多少お節介なくらいの関わりを築けるのが理想と考えています。そのため実家のような温かみのあるデザインになっているんですよ。
―社内の真ん中に設置された、古民家のようなお部屋は通常どんな用途で使用されているのでしょうか?
中村:弊社にはオープンな会議の場はいくつかありますが、ここは唯一の独立した会議室となっています。すりガラスや戸は発注したものではなくて、代表自らが買い付けてきたもので、実際に古民家で使用されていたそうです。
どこかで使われていた物だからこそ、懐かしく味わい深い和風な部屋に仕上がっているのだと思います。
―田舎に帰ってきたような懐かしさを感じられる理由はそこにあるのですね。
中村:ちなみに、入り口の電話や棚も年代物だそうです。これらの道具も代表が自分の足でに買い付けに行ったそうです。初めて来訪された方にも「かわいい」と好評いただいています。
―オフィスにちゃぶ台があっても、なじんでしまってる。おかんならではですね。
中村:ここは社員がお昼に食事をとったり、くつろぎながら談笑するスペースになっています。座敷にちゃぶ台って最近では見かけなくなりましたが、やはり懐かしい気持ちになれますよね。
―社内の雰囲気はどんな感じでしょうか。
中村:20代・30代のメンバーが中心で、30代メンバーは家庭を持っている人が多いですね。弊社では“働くヒトのライフスタイルを豊かにする”をミッションに活動を行っているので、その部分には全てのメンバーが共感しています。
健康志向の人や、男性も積極的に育児に取り組んでいる人が多いんです。
パタハラ(パタニティー・ハラスメント)という言葉がありますけど、うちは無縁ですね(笑)。代表も子どもを4人育てていて、自らがしっかり育休を取っています。
まとめ
「ただいま」「おかえり」。そう言いたくなってしまうような優しい空気漂うオフィスでは、日々おいしくてバランスの良い食事を提供するため、社員の皆さんが真摯な眼差しで誰かのためにお惣菜のアイデアを出し合っています。
名は体を表すという言葉にふさわしく、オフィスの中は古き良き日本の温かみが感じられる空間が広がっていました。
識者プロフィール
中村竜典(なかむら・たつのり)
コーポレートグループ責任者
2007年に高校卒業後、トヨタ車体の関連会社である豊臣機工に入社、2011年に退職後、2012年に公認会計士試験に合格しPwCあらた有限責任監査法人に転職。代表沢木と出会い“働くヒトのライフスタイルを豊かにする”というミッションに深く共感し株式会社おかんに入社。コーポレートグループ責任者として財務、経理、経営企画、広報など幅広く担当。
※この記事は2017/02/22にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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