みなさんは職場で身につける洋服やネクタイ、靴、メイクアップアイテムなどの「色」をどのように選んでいますか?
単純に自分の好みやトレンド、なんとなく万人受けしそうな色を選んでいたとしたら、ちょっともったいないかもしれません。誰しも自分に似合う「パーソナルカラー」があり、その色を身につけることで大きく印象はUPします。
そこで今回は、イメージコンサルタントとして活躍する松本英恵さんに、パーソナルカラーについてご解説いただきました。パーソナルカラーを自己診断できるオリジナルチャートも掲載していますので、ぜひ自分に似合う色を理解して、ビジネスシーンで大いに活用してみてください!
印象を左右する「パーソナルカラー」とは?
パーソナルカラーとは、そもそもどのようなものなのでしょうか? まずはその概要と効果について伺いました。
「パーソナルカラーとは、その方が持っている肌や髪の毛、瞳の色などをもとに、もっとも似合う色の系統を導き出す診断方法です。ですので、Aさんは青が似合う、Bさんは赤が似合うという考え方ではなく、Aさんに似合う青、Bさんに似合う青があるという考え方になります」(松本英恵さん:以下同じ)
つまり、パーソナルカラーとは、いくつかの色の系統のなかから自分に似合う色を探っていくというもの。これまで「ピンクが似合わない」と思っていた人でも、「似合うピンクがある」ということです。これは嬉しいポイントですよね。
では、自分に似合うパーソナルカラーを身につけると、どのように印象が変わるのでしょうか?
「具体的な変化としては、お肌の透明感が増して顔色が明るく見えるようになります。また、シワやシミなどといったお顔のネガティブ要素を目立たなくさせたり、フェイスラインがスッキリ見えたりする効果も。
さらに、目力のある方は瞳の印象がよりキラキラとして引き立ちますし、逆に穏やかでやさしい眼差しの方はその個性をより強めてくれます。パーソナルカラーはその方の雰囲気、パーソナリティに合った魅力をより高めてくれるため、相手に与える印象が良くなるのです」
一言でいうと、パーソナルカラーを身につけることで印象が華やかになる、ということ。逆に、自分に似合わない系統の色を身につけてしまうと、相手にちぐはぐな印象を与えてしまうそう。
パーソナルカラーの4つの種類
続いて、パーソナルカラーの種類について伺います。代表的なのが、スプリング、サマー、オータム、ウィンターと季節に分類した4つの系統です。実際にそれぞれの色味を比較してみましょう。
【スプリング】
●イエローベース
●高明度・高彩度
「やや黄味がかった鮮やかな色味が、スプリングの特徴です。これらの色は明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)がともに高いので、元気でカジュアルなイメージを持ちます」
【サマー】
●ブルーベース
●高明度・低彩度
「全体的にブルーがかっていてソフトな色合いがサマー。いわゆるパステルカラーですね。爽やかで涼し気なイメージを持ちます」
【オータム】
●イエローベース
●低明度・低彩度
「4つのカラーのなかで、一番落ち着いた色合いがオータムです。秋の紅葉のように渋く深みがあり、シックかつリッチなイメージを持ちます」
【ウィンター】
●ブルーベース
●低明度・高彩度
「見比べていただいてわかるとおり、4つの中でもっとも原色に近く鮮やかな色合いがウィンター。華やかでカッコいいイメージを持ちます」
パーソナルカラーが早わかり! 自己診断チャート
4つの色のタイプを把握したら、さっそく自分のパーソナルカラーをチェックしてみましょう。今回は松本さんオリジナルの自己診断チャートをご紹介いただきました。非常にシンプルでわかりやすい診断なので、ぜひこの機会に自分のパーソナルカラーを把握してみてください。
【パーソナルカラー自己診断のやり方】
1.Q1~Q4までの質問で、該当する箇所をすべてチェックする。
※もし迷ってしまう項目があったら、どちらにもチェックを入れて構いません。
2.Q1~Q4でチェックした箇所の合計を出し、もっとも数値が高かったタイプがあなたのパーソナルカラーです。
<自己診断で複数のカラーが該当した場合>
上記の診断では、「スプリングとウィンターのどちらにも当てはまる」など、複数のカラータイプに該当する人がいるかもしれません。その場合は以下の2つを試してみると、自分のパーソナルカラーをより深く知ることができるそう。
1、誰かと比較しながら診断する
「たとえば黒目の輪郭や瞳の色など、自分自身ではどの項目に該当するのかわかりづらい質問は、誰かと比較してみると答えを絞りやすいですよ」
2、該当する色合いの洋服を交互に当てて、顔の変化を見る
「前述したとおり、ご自身のパーソナルカラーを身につけると顔色が明るくなったり、フェイスラインがシャープに見えたり、垢抜けた印象になります。該当するカラーを交互に上半身に当ててみて、どちらの印象が良いか、お顔の変化を見てみましょう」
パーソナルカラーをビジネスシーンで取り入れるコツ
最後に、ビジネスシーンでパーソナルカラーを上手に取り入れるコツをお伝えします。ただパーソナルカラーを身につけるだけでなく、見せたいイメージに合わせて色を変えたり、ポイントを絞ったりすることで、印象を左右できるそう。
「職場で身につけるなら、トータルの色数は3色ぐらいまでに絞るとより洗練されたイメージになります。たくさんの色を使いすぎるとごちゃごちゃしてしまい、相手が落ち着かなくなってしまうので注意しましょう」
鮮やかな色を使いたい場合は、ワンポイント使いも効果的のよう。
「男性ならネクタイで鮮やかな色を取り入れるのが定番です。あとは全体的に白や紺で統一して、靴やアクセサリーなどに差し色として鮮やかな色を使うのもオシャレですね。女性は口紅など、メイクで取り入れてもOKです」
そして、もう1つ覚えておきたいのが、それぞれの色が持つイメージ。赤なら情熱、黄色なら親しみやすさ、青なら爽やかさというように、見せたい印象によって色を使い分けるのがオススメだそう。以下のリストをぜひ参考にしてみてください。
「プレゼンなど気合いを表現したいときは“赤”、甘え上手なキャラでいたいときは“ピンク”など、その日なりたい自分に合わせて、身につける色を変えてみてはいかがでしょうか? 一般的に青や緑は万人受けすると言われていますので、ぜひビジネスシーンで活用してみてくださいね」
色を味方に付けて、自分の価値を高めよう
個性が尊重される現代、自分自身の印象をコントロールすることはとても重要です。パーソナルカラーを上手に取り入れることで相手に与える印象が大きくUPするだけでなく、きっと自信にもつながるはず。
一度自分のパーソナルカラーを知れば、基本的には一生似合う色は変わりません。また、各々の色が持つイメージも普遍的なものであるため、時代に左右されることなく活用できます。
ぜひ今回お伝えしたパーソナルカラーを指標にして、職場でもプライベートでもあなたの価値を最大限に高めてくださいね。
(取材・文:小林 香織/編集:東京通信社)
識者プロフィール
松本 英恵(まつもと はなえ)
2003年より、カラーコンサルタントとして経験を積み、カラー&スタイルのエキスパートとして注目を集める。2005年より、総合情報サイトAll Aboutカラーコーディネートガイドを務めている。約900名のガイドの中で読了率の高さはナンバーワン。WEB・雑誌・新聞・ラジオ・テレピなどメディア出演も多い。企業や教育機関での研修・講演、商品開発やブランディングへの協力など、企業向けの業務に取り組むほか、ビジネスパーソン向けのアドバイス業務やカラーコンサルタント養成など、個人向けの業務にも力を注いでいる。著書に『心をつかむ色とデザイン~商品力・サービス力を磨くためのスキルアップ講座』(日本能率協会マネジメントセンター)、『和モヨウ配色手帖~オシャレな“和モヨウ”でもっと磨く配色レッスンBOOK』(技術評論社)などがある。
※この記事は2018/04/18にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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