明日の会議で発表する企画のために、インターネットをサーフするものの、なかなか新しいアイデアが出てこない。こんな経験がある人は少なくないのでは?
では、世のアイデアマンたちは、どのようにしてアイデアを探しているのでしょうか。斬新な企画で人気を集めているWebメディア「デイリーポータルZ(以下DPZ)」のライターである平坂寛さんと斎藤充博さんに話を聞いてみました。
大事なのは何を探すかではなく、そこから何を感じるか
日常的な場所に行って考えると話してくれたのは斎藤さん。
「スーパーとか、みんなが知っているような商品がたくさん置いてあるところに行きます。例えば、調味料の棚を一つ一つ見ながら“ふつうの使い方と違うことができないかな”って考えたりしています。最近だとそんなふうにして『クックドゥの具と素を入れ替えてみた』という記事を書きました」(斎藤さん)
アイデア出しで大切なのは、日常にあるものをどういう視点で切り取るか、なのかもしれません。
「日常的なところから過激ネタも出てきますよ。これは本当にやれるかどうか分からないですが、洗剤コーナーを見ながら思い付いたのが『そのへんで拾った石は、どのくらい洗えば口の中に入れられるか』というもの」(斎藤さん)
生き物に関する記事を書くことが多い平坂さんも、ネタが切れたときは、身近な生き物をいかに楽しむかを考えるのだとか。
「『ありふれたあの生物も、こういう方法で捕まえたら楽しそう』とか『誰も見向きもしないけど、あの生き物って実は食べたらおいしいんじゃないか』とか。視点やアプローチの仕方を変えると、意外な存在がネタになってくれたりします」(平坂さん)
まったく新しい誰も見たことがないアイデアというものは、この世にはほとんど存在しないのかもしれません。アイデアをゼロから生み出すのではなく、目の前にあるものをどう見せるか、切り取るかの方が大切だということのようです。
アイデアが出てこないときのリフレッシュ方法
発想力よりも知識力に頼ることが多いという平坂さんは、記憶と記録を整理することで頭の中をリフレッシュするといいます。
「具体的には、今まで撮りためてきた大量のデジカメ写真を見直したりします。あとは、過去のボツとなったアイデアを再検討する。そうすると、アイデアの掘り出し物に出会えたりします」(平坂さん)
過去に自分が書いた記事を読んで、頭をスッキリさせると語るのは斎藤さん。
「過去の記事を読むと自分のアイデアに自信が持てるようになります。『何とか書き切ったような記事でも意外と反響があったから、きっと今回も大丈夫』と思うことで、自分の中でのネタのハードルが下がるんです。これをやり過ぎると、ハードルが下がり過ぎてしまうので、ほどほどにしないといけないんですけどね」
ここで紹介した方法は、DPZのライターさんが記事を書くときのアイデア発掘法ですが、これらは他業種の別の場面でも応用が利きそうですよね。皆さんもアイデアに煮詰まったときは、参考にしてみてはいかがでしょうか。
(識者プロフィール)
平坂寛/1985年、長崎県生まれ。面白い生き物に関する記事を執筆するライター。DPZの他、雑誌やテレビなどでも活躍中。特に外来種と深海生物に造詣が深い。
いきものいきもの
斎藤充博/1982年、栃木県生まれ。「下北沢ふしぎ指圧」で指圧師として活動しながら、『栃木のおきて』(アース・スターエンターテイメント)を出版するなど、ライターとしても活躍中。
下北沢ふしぎ指圧
※この記事は2014/06/16にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。
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