今年は前例のない超大型連休で、5月末になってもまだ本調子に戻れていない人も多いのではないでしょうか。
例年以上に「五月病」を感じている人も多いかもしれませんが、「五月病」以外にもビジネスマンが注意しなければならない「〇月病」が他にもあるのをご存知ですか?
今回は産業カウンセラーの大美賀直子さんに、ビジネスマンが抱え込みがちな各月の気持ちの傾向と対策を教えてもらいました。
5月┃「五月病」は淡々と過ぎるのを待つこと
新年度の疲れとGWの疲れがどっと出て、仕事にいまいち力が入りにくい時期。特に新年度に転職や異動などの大きな環境の変化があった人は、緊張の糸が緩んで気力が湧きにくくなり「五月病」になることも。飲み会、休日のアクティビティは控えめにして、心身を休ませましょう。
体調が優れないときは結果やパフォーマンスにこだわりすぎず、目の前の仕事を淡々とこなしていくことも大切かもしれません。たいてい2~3週間もすれば、気力は自然に戻ってくるでしょう。
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6月┃五月病が長引くと「六月病」
「五月病」が長引くと、6月に入っても気力が戻らず「六月病」に突入することも。この場合、心のトラブルの可能性も考えられるので、医師に相談してみるのも良いかもしれません。
全国的に梅雨の時期に入ると、日照時間は短くなります。すると、脳内のセロトニン神経が活性化しにくくなり、ちょっとしたことでもイライラ、くよくよしがちに。そんなときこそ、こまめに気晴らしをしましょう。
6月以降も体調管理に努めよう!
7月┃強すぎる太陽は逆効果!?
梅雨が明けると本格的な夏。快晴が続くと太陽の恩恵で脳内のセロトニン神経が活性化され、気分もカラッと晴れてきます。ただし、長時間日光を浴びたままでいるとセロトニン神経の働きが逆に抑制され、気分は再び落ち込みがちに。
外回りの営業などで屋外に出る際には、日光の下で過ごす時間ができるだけ短くなるよう気を付けましょう。カフェやコンビニでこまめに休憩をとりながら、強すぎる太陽の刺激をかわすことも有効です。
8月┃家でダラダラすべし
地域によっては、最高気温が40度に届く日もあるギラッギラの真夏。日光による刺激、猛暑、高湿度に加え、海や山へのレジャー、帰省や家族サービスなどで、心身ともにヘトヘトになりがち。さらには、暑気払いの飲み会、バーベキューなどでの暴飲暴食。特に冷たいビールと消化の悪い肉類をとりすぎると、胃は悲鳴を上げてしまいます。
夏はそもそも「休息」シーズン。レジャーもいいですが、たまには家でダラダラ過ごすべし。
9月┃台風が運んでくる「秋バテ」
夏の享楽気分が終わると急に気力が湧かなくなり、仕事に意欲が燃やせなくなることも。9月後半に近づくと1日の寒暖差が激しくなり、さらには台風の到来も。
気温と気圧の急な変動によって体調が崩れると、やってくるのが「秋バテ」。体調と気分は常に連動しているため、体の調子が悪くなると仕事への集中力も低下し、ミスが増えがちに。「秋バテを感じたら休む」ことが大切です。
10月┃過ごしやすい時期ほど調子に乗らない
気候が温暖で、気温のアップダウンが少ない10月は、最も過ごしやすいシーズンのひとつ。新しいことにチャレンジするには最適です。スキル取得や異業種交流会など、キャリアアップにつながるイベントに参加するのもいいでしょう。
ただし、調子に乗ってあれもこれもと手を出すと、過労でダウンするリスクも。ガンガン攻めたい気分のときこそ、意識して休む時間を取ることが重要です。
11月┃「冬バテ」予防をするなら今!?
秋が深まってくると、訳も分からず物憂い気分が深まっていくと言う人が増えてきます。この季節のネガティブな気分は、12月の冬至に向けて日照時間が短くなること、日増しに寒さが増してくることなど気候の変化が影響しています。
筋トレなどで筋肉量を増やし、体力をアップして冬バテ予防に取り組んでおきましょう。
12月┃バランスが重要!
師走はあわただしいシーズン。仕事とプライベートのバランスが重要です。冬至に向けて昼の時間が短くなると、陽の光を浴びるチャンスが減ってしまいます。
すると、脳内のセロトニン神経が活性化されにくくなり、物憂げな気分になりがちに。意識的に外出して太陽の恩恵を受けましょう。
大豆製品、チーズ、アーモンドにはセロトニンの原料となる必須アミノ酸が豊富に含まれているので、積極的に取り入れるといいでしょう。
1月┃年始の不調・三大要因に注意!
初詣でチャレンジを誓ったのに、正月休みが終わると「なぜかやる気が湧いてこない」とつぶやく人は多いです。この不調はいわゆる「正月ボケ」「昼の時間の短さ」「身を切るような寒さ」という三大要因による影響が大きいからだと言えます。「1月からスタートダッシュを切れる人は少ない」と割り切って考えた方がいいでしょう。
夜が長く早朝は寒いため、朝の起床もおっくうになりがち。無理して朝活せず、休養メインで英気を養いましょう。
2月┃「冬うつ」は時間ととも解決
立春を過ぎても相変わらず寒い日が続き、通勤がとても嫌な時期ですね。日照時間はまだまだ短いため、朝からすっきり目覚められない人も多く、この時期限定の抑うつ症状「冬うつ」に悩まされる人も。
でも心配はいりません。日照時間が長くなるとともによくなるため、多くの場合、春先には楽になります。憂うつな気分を晴らすために、菓子パンなどの甘いものが無性に食べたくなる人も多いですが、夢中で食べると太ってしまうので注意しましょう。
3月┃春が待ち遠しい!耐える季節
ようやく暖かさが到来しても、急に寒さがぶり返す。気候の変動によって気分もアップダウンをくり返しがち。さらには、花粉症のうっとうしさ、年度末のあわただしさ、異動や新年度の準備など、3月はストレス要因が目白押しに。こうしたなか体調を崩すと、何もかも嫌になってしまうかもしれません。
でも、このつらさも一時のこと。あと1カ月もすれば、驚くほどさわやかなシーズンがやってきます。それまでは無理しないことが肝心です。
4月┃新しい物事に早く慣れようと気負わない!
新入社員がやってきたり、異動した部署で新たな仕事にチャレンジするなど、4月は新奇な刺激に満ち溢れたシーズン。マンネリ化した心をリフレッシュするには最適な時期です。
一方で新しい環境、新しい人間関係に戸惑い、無理をしがちになることも。急にストレスがかかると体の抵抗力が一時的に落ち、風邪をひいたり、アレルギー症状が悪化したりする人も多くなります。新しい物事に早く慣れようと気負わないこと。気長に構えていきましょう。
大美賀直子
メンタル&マインドコンサルティング代表。産業カウンセラー、公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタントの資格を持つ。「こころと人生と人間関係」のベストバランスを提案するカウンセラー、セミナー講師として活動する。ストレスマジメントに関する著著・監修多数。
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