自己肯定感があれば、コンプレックスが武器に変わる
どんな仕事をしていても、元気で楽しそうなりゅうちぇるさん。じつは、あるキーワードを大切にしているといいます。
「とにかく自分や周りの“自己肯定感”を上げていくことが、僕のキーワードなんです。TwitterやYouTubeでも、しょっちゅう『僕ってなんでこんなにかわいいんだろ』とか言って“自分で自分を認めてあげる姿”を発信しています」
いいよね
— RYUCHELL ❤️🔮🌍✨🧩🧠🎤🕺 (@RYUZi33WORLD929) February 29, 2020
なんだかんだ僕かわいいし😊💕🌴⭐️🌈✨
「僕は学生時代からメイクをしていたし、ファッションも派手だから、いっぱいからかわれてきました。でも、そんな自分を認めてあげていたからこそ『お前なんで化粧してるんだよ』って言われても『黙れ!』って言い返せた。だけど、周りからきついことを言われたら、落ち込んじゃう人のほうが多いんですよね。そういう優しい子たちに『原宿ではこのメイクが流行ってるし! これがわかんないやつのほうがダサイ!』って笑えるような気の強さを持ってほしいなって思っています。それも、ひとつの自己肯定です」
自己肯定感さえあれば、いろんなコンプレックスも武器に変えられると、りゅうちぇるさんは続けます。
「学生のときは『かっこいい』『かわいい』って、たったひとつしか正解がありませんでした。でも社会に出たら、実はいろんな『かっこよさ』『かわいさ』があるって気づくでしょ? 学校では個性的すぎて浮いていたような人こそ、社会に出たら居場所を見つけるし、もしかしたら大活躍するようになるんだと思うんです。自分のことをちゃんと肯定できていれば、それまでコンプレックスだったことを得意分野に変えて、伸ばしていけるはず」
仕事しなきゃ生きていけないんだから! 好きなことをしよう
かわいいメイクや派手なファッションで自分を飾っていた少年は、地元・沖縄を出て上京し、「ジェンダーレス男子」としてスポットライトを浴びました。自分の好きなことを貫き、つねに“かわいく”在り続けることを選んだからこそ、大ブレイクを果たしたのです。
そんなふうに、自分の強みを活かす道を見つけるには、どうしたらいいのでしょうか。
「ファンの人から『夢が見つかりません』『やりたいことがない』みたいな相談を受けることがあります。でも、その子に『メイクがめっちゃくちゃかわいいじゃん! メイクの仕事なんてどう?』って言うと『えっ! 考えたこともなかった』って返ってきたりするんです。自分の“好き”を仕事になんてできるわけない、って決めつけている人が多いんじゃないかなぁ。もっともっと感覚を大事にして、好きなことを磨いていけばいいのに」
まずは、好きなことに挑戦してみなきゃ始まらない。やることをひとつに絞らなくたっていい時代なのだから、テンションの上がることをいくつか組み合わせて、少しずつチャレンジしていけばいいと語ります。
「夢とかって言うとおおげさに聞こえるけど、人間、仕事しなきゃ生きていけねぇから(笑)。どうせ仕事をするなら、好きなことのほうがいいじゃん!」と、にっこり。
「もしいま好きなことが思い当たらないなら、映画を観たり、旅行したりして、自分の心躍ることを探していけばいいと思います。で、やりたいことを見つけたときに走っていけるように、とりあえずお金は稼いでおきましょう!」
オンのときに100%だからこそ、オフは鼻くそほじっててもいい
自分を認めて強みを活かしていけば、はたらくことはもっと楽しくなるはず。でも自己肯定感とは、むやみに自分を甘やかすことではありません。りゅうちぇるさんは自分を愛する一方で、とても強いプロ意識を持っています。
「僕、人前に出るお仕事が天職だと思っているんです。理由は、オンとオフをきっちり切り替えられるから! たとえば、東京ガールズコレクションみたいなショーのお仕事なら、ランウェイに出る3秒前まで鼻くそをほじれます(笑)。でも、出る瞬間にバシッと切り替えて、3秒前まで鼻くそをほじっていたなんて誰にもばれないパフォーマンスができる。瞬発力があるんです♡」
適当にこなしているからではなく、仕事モードの瞬間に一生懸命だからこそ、切り替えが必要。オンのときに100%のりゅうちぇるを見せるためなら、その前後はオフでいいのです。
「収録中にはたくさんしゃべるのに、終わったとたん風のように帰る芸能人を見て残念がる一般の方もいるけれど、誰だって仕事が終わったらすぐ帰りますよね?(笑)僕たちにとっても、あれは仕事。あれで生活しているんです」
はたらくことで、周りも、家族も、自分もハッピーに!
ドライに切り替えながらも、そこまで仕事に全力投球する理由は、どこにあるのでしょうか。りゅうちぇるさんは「みんなをハッピーにしたいから」と微笑みます。
「適当にやっていると、わかる人にはわかっちゃうから、手抜きはしません。でも反対に、頑張っていたらチャンスがいただけるし、結果としてたくさんの人に喜んでもらえる。だから頑張るんです」
そんなふうにりゅうちぇるさんは、はたらくことを通して、多くの人をハッピーにしていきます。それは、家族や自分も例外ではないようです。
「ぺこりんは僕の出ているテレビを見ないけれど、リンクはときどき画面に向かって『パパ』って話しかけています。たぶん、テレビは誰でも出れるものだと思ってるんじゃないかな(笑)。これからリンクが生きていくうえで、僕がいま発信しているような内容が必要になったとき、自然と気づいてくれたらいいなって思いますね。『芸能人になりたい』とか言い出したら『やだ、嘘でしょ』って思うけど……でも、僕たちがキラキラしてるから同じようになりたい、と思ってくれたんだとしたらうれしいかな。 家族ができて、はたらくことがいっそう生きがいになりました。仕事をしている自分が誇りだし、自己肯定感をさらに強められていると思います」
テレビや音楽活動、SNSなど、いくつも顔を使い分けてはたらく醍醐味を語っていただいた前編はこちらから。
(文章/菅原さくら カメラ/玉村敬太 編集/黄孟志)
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