用件は一つにまとめること! Facebook「Messenger」を使うときのエチケット

Facebookを利用している人ならば、ビジネスシーンで知り合った人とFacebook上で「友達」として繋がることがあるでしょう。そして、その手軽さから、カジュアルな連絡手段として「Messenger(以下、メッセンジャー)」が利用されることも多々あります。しかし、利用時にどんなことに気をつけておくべきなのか、積極的に調べたことがない人も多いのではないでしょうか。そこで、改めてメッセンジャーの使い方について考えてみました。

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そもそもメッセンジャーを使うメリットは?

「あの人は、すでにFacebookで友達になっているから」「メールよりも早くレスポンスがくるから」などと思いながら、Facebookを開いたことがある人も多いのではないでしょうか。

2020年1月30日にFacebookが発表した業績ハイライトによれば、2019年12月時点で、Facebookの月間アクティブ利用者数(MAU)は25億人。デイリーアクティブ利用者数は16億6000万人に上ります。こうした利用者の多さこそが、メッセンジャーが好まれる要因の一つです。

もちろん企業によっては、企業向けのFacebookである「Workplace(ワークプレイス)」を導入し、社内のコミュニケーションに活用しているかもしれません。あるいは、社外関係者を含めて、プロジェクト単位で「Slack(スラック)」や「Chatwork(チャットワーク)」を使って連絡を取り合うことも多いでしょう。

しかし、こうしたコミュニケーションツールに登録していないような社外の関係者と、カジュアルな連絡をする場合ももちろん存在します。そういった意味において、ビジネスシーンでメッセンジャーが重宝される場面はそれなりにあるのです。

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メッセンジャーを使うときの作法は存在するのか?

さて、チャットツールにおける「マナー」を定義するのは繊細な議題ですが、不要なトラブルを避けるという意味で、ある種のキホンを理解しておくことに損はありません。ここでは、Facebookが発表した公式のエチケットを紹介します。

Facebookでは2019年10月に、エチケットの権威であるイギリスのDebrett's社と提携して、メッセージアプリでやりとりする際のエチケット10規則をまとめています。これはあくまで一般的な内容で、ビジネスシーンに限ったものではありませんが、基本的な注意事項として理解しておきたいものとなっています。

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その内容を要約してみました。

1)メッセージのトーンを明るく
・否定的な表現に気をつけ、絵文字やスタンプを使おう。
・誤字や変換ミスに注意し、送信前に見直そう。

2)シンプルすぎず、簡潔に
・長文になりすぎず、簡潔な文章を心がけよう。
・絵文字だけの返信や、返事だけの返信を繰り返すのはやめよう。

3)1回のメッセージにまとめよう
・複数のメッセージに分けすぎると見落としの原因になるので避けよう。

4)転送する前に確認
メッセージを他の人に転送するときは許可を得よう。
グループチャットでプライベートな話題は避けよう。

5)グループメンバー全員に気配りしよう
・グループチャットでは参加者を確認しよう。
・個人的な話はグループチャットではなく個別のチャットでしよう。

6)返事しないまま放置しない
・質問の答えがわからない場合も、リアクションや返事をする。

7)読んだらすぐに返信を心がける
・返信する時間ができるまでは未読のままにしておこう。

8)音信不通にならないように!
・会話に興味がなくても無視せずに。
・会話を終わらせたい場合は、率直に優しく説明しよう。

9)退室の際も「エチケット」を意識して!
・グループから退会するときには、理由を伝えよう。
・離席するときには、ミュートを利用しよう。

10)会話をきちんと終わらせよう
・メッセンジャーから離れるときは、一言伝えよう。

このほかビジネスシーンで利用する場合の注意点を挙げるとするならば、「業務時間外に連絡をしない」や「“お世話になっております~よろしくお願いいたします”というメールの定型表現は避けるべき」辺りの論点について、それぞれ方針を考えておくと良いのではないでしょうか。

機密情報はやりとりしないように

最後に、メッセンジャーでは基本的に機密情報はやりとりしてはいけないということを取り上げておきます。

メッセンジャーでは、iOSやAndroidの端末から利用する場合のみ、双方の端末で「秘密のスレッド」機能を利用すれば、エンドツーエンドの暗号化が施された状態でメッセージのやりとりが可能になります。

例えば、iOSの場合、「メッセンジャー」アプリを起動し、「チャット」タブの右上にあるペンのアイコンをタップ。右上の「秘密」をタップしてから、相手を選択すると、鍵マークのついた「秘密のスレッド」でメッセージをやりとりできるようになります。

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なお、「秘密のスレッド」がオンになっていない場合には、自分のアイコンをタップし、「秘密のスレッド」をタップして、同名のスイッチをオンにすればOKです。

ただし、現状ではパソコンからの利用には非対応。また、「秘密のスレッド」での暗号化は、「グループメッセージ/音声通話/ビデオ通話/GIF/支払い」には対応していません。なお、秘密のスレッドを作成しても、既存のチャットが過去に遡って暗号化されることはありません。従来のスレッドとは別に新たなスレッドが作成される仕組みになっています。

上記のような理由のため、ビジネスシーンでメッセンジャーを利用する場合には、基本的にカジュアルな連絡に限るべきです。また、機密性の高い情報をやり取りする場合には、セキュリティ面を鑑みて通常のスレッドやグループメッセージは避けましょう。プライベートなやりとりや、機密性の高いやりとりをどうしてもメッセンジャーで行いたい場合には、1対1で「秘密のスレッド」機能を活用するよう、心掛けてみてください。

文=井上晃
編集=五十嵐大+TAPE

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