「挫折して当たり前!」タスク管理ができないビジネスパーソンに必要な考え方

「タスク管理が苦手……」そう思うビジネスパーソンは多いでしょう。中には、色々試してみたけれど、まったく続かず挫折した人もいるはずです。そのような人たちが、タスク管理を継続できるようになる方法はないのでしょうか?書籍『「やること地獄」を終わらせる タスク管理「超」入門』の著者で、電子雑誌「かーそる」編集長の倉下忠憲さんいわく「考え方を変える必要がある」とのこと。今回は、倉下さんに「タスク管理を継続させるための考え方」を教えていただきます!

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タスク管理がうまくできない人の原因

 

自分が目指すタスク管理のゴールが曖昧である

仕事でも勉強でも、目標やゴールを設定することは大切です。目標やゴールを設定せずに仕事や勉強に取り組んでも「何をどこまで頑張れば良いのか」といったプロセスがわからなくなります。倉下さんは、タスク管理にもそれが当てはまると話します。

「タスク管理に関する具体的な目標やゴールが設定できていない人は、失敗しやすいでしょう。なぜなら目指すべき方向が定まらず、そこまでのプロセスも構築できないためです。もちろん『方法を知ること』も大切ですが、それよりも先に『自分にとってどういう状態がタスク管理できていると言えるのか』を具体的に設定することが大切です」(倉下さん・以下同)

記録やメモをする習慣がないのに、タスク管理を継続させようとしている

普段から記録やメモを取らないのに、いきなりタスク管理に挑んでしまう人も失敗しやすいそうです。倉下さんいわく、タスク管理への挑戦は記録やメモを取る習慣ができてからの方が良いとのこと。

「タスク管理を継続させるということは、新しい習慣を身に付けるということです。ただ、そもそも記録やメモを取る習慣が身に付いていないのに、記録やメモの管理はできませんよね。タスク管理を継続させたいのであれば、記録やメモを取る習慣を先に身に付けてください。一気にゴールへ向かうのではなく、一つひとつステップアップしていきましょう」

得られるメリットに対する行動コストが高すぎる

タスク管理の継続に失敗し、挫折した人の中には「管理が面倒くさくなり、いつのまにかやらなくなった」という人もいるでしょう。ただ倉下さんは、「この『面倒くさい』という気持ちにどう対処するかが大切」と話します。

「そもそも『面倒くさい』気持ちは、絶対にやりたくないということではなく、得られるメリットに対して行動コストが高すぎておっくうだから芽生えるんです。タスク管理においても同様。なので行動コストを下げるか、得られるメリットを高くできれば、面倒くさくならないはずです」

その上で、倉下さんは以下のような対処法を示しています。

「まずは行動コストやレベルを下げて面倒くさい気持ちを持たないようにしてみましょう。『こんな簡単なことでいいの?』と思う段階まで下げて構いません。タスク管理でいえば『仕事中はメモとペンを1週間常備しておく』といった目標がそれです。そこから徐々にステップアップしていけば良いと思います」

タスク管理の方法は自分で編み出すもの!

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現代は、さまざまな分野で「How to本」が出版されています。そこには、成功者の体験談をもとに導き出された多様な方法や解決策が書かれており、時に私達は、それらを自分の悩みや問題を解決するためのメソッドとして用います。
ただ倉下さんは、タスク管理をHow to本通りに実践するのはお勧めしないとのこと。

「そもそも、タスク管理において万人に通じる方法はありません。個々の性格や好みで異なるので、最終的には自分で方法を編み出すしかないんですね。よく1つの正解にこだわる人がいますが、時に正解は『こうしなければならない』『合わせなければならない』といった強制や義務を生じさせます。おそらくそれを感じた人は、タスク管理がしんどくなるはずです。そうならないためにも、本で示されたタスク管理の方法は土台の1つくらいに捉え、それを元に自分に合った方法を編み出してほしいです」

失敗から学ぶことで自分に合ったタスク管理が見つけられる

自分に合った方法を編み出すには、時間と労力がかかるはず。時には失敗が続き、嫌になってしまうこともあるかもしれません。ただそんな時こそ「失敗から学ぼう」という気持ちが大切です。

「完璧主義な人ほど、少しでもうまくいかないと、今までの全てがダメだったと思いがちなんですが、それではいくら努力を重ねても前に進めません。大切なのは、失敗から学ぶ気持ち。『どうして今回の方法で失敗したのか?』を考えられるようになれれば、きっと自分に合ったタスク管理が見つかるはずです」

タスク管理、継続のカギは“挫折”

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倉下さんは、ずばり「タスク管理を継続させるには挫折はつきものである」と考えています。

「多くの人が『自分ならすぐにタスク管理を継続させられる!』と思って始めがちですが、その考えは挫折以外に苦手意識も生み出してしまうので好ましくありません。それよりも『今まで出来なかったことを出来るようになろうとしているのだから、挫折して当然』くらいの考えを持った方が良いでしょう。その方が心も軽くなり、失敗や挫折を繰り返してもまた前に進もうと思えるはずですから。失敗や挫折を怖がらないように!」

監修者プロフィール
倉下忠憲●電子雑誌「かーそる」編集長。「デジタル・アナログにこだわらない現代的な知的生産の技術」をテーマにEvernoteやScrapboxなどのツール入門書多数執筆し、物書きとして実用書・小説・エッセイなども手掛けている。
ブログ「R-style」

文=トヤカン
編集=TAPE

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