- 「つきましては」の意味
- 「つきましては」の使い方は2パターンある
- 目上の相手に「つきましては」は失礼?
- ビジネスで「つきましては」を使うには?
- 「つきましては」の類語・ビジネスでの言い換え表現
- 「つきましては」を使う際の注意点
- 「つきましては」の使い方は主に2つ!
「つきましては」には、文頭で接続詞として使うパターンと、連語として使うパターンがあります。各パターンによって意味が異なることを十分に理解した上で、使い分けることが大切です。
本記事では、「つきましては」の意味や例文を詳しく解説します。
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「つきましては」の意味
「つきましては(就きましては)」とは、「ついては(就いては)」の丁寧な表現です。以前に述べた事柄から次に述べる事柄につなげる際に、「したがいましては」という意味で使います。
「つきましては」の使い方は2パターンある
実は、「したがいましては」の意味以外でも「つきましては」を使うことがあります。そこで、「文頭で接続詞として使う」か「連語として使う」かによって「つきましては」を使い分けることがポイントです。
正しく使い分けられるように、2パターンの意味や特徴を解説します。
1. 文頭で接続詞として「つきましては」を使う
文頭に「つきましては」を使えば、「したがいましては(したがって)」や「そこで」のように、接続詞としての役割を果たします。「〇〇です。つきましては、〜〜です。」のように、前文の流れから結論に向けてつなげられる点が特徴です。
2. 連語として「つきましては」を使う
連語とは、二つ以上の単語が連結することで、一つの単語としての働きを持つ言葉です。「〜につきましては」と連語として使うことで、「〜に関して」「〜について」を丁寧に表現できます。「〜につきましては問題ございません」のように、物事や事象などを受ける場面に使える点が特徴です。
「つきましては」の2パターンの違いを、表にまとめました。
「つきましては」 |
使う場所 |
意味 |
使用シーン |
1. 接続詞として使う |
文頭 |
「したがいましては」 |
(述べたことに関連する事柄について) |
2. 連語として使う |
文中 |
(丁寧に) |
物事や事象を説明・報告する |
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目上の相手に「つきましては」は失礼?
接続詞の場合も、連語の場合も、「つきましては」を目上の相手に使用して構いません。ビジネスで上司や取引先に説明する際は、「つきましては」を使うことでむしろ丁寧な印象を与えられるでしょう。
ビジネスで「つきましては」を使うには?
「つきましては」は、ビジネスシーンでよく使われる表現です。ここから、4つのビジネスシーンにおける使い方や例文を紹介します。
案内する際の例文(接続詞)
取引先や上司に案内する際、基本的に文頭で接続詞として「つきましては」を使います。なぜなら、ある事柄を述べてから結論につなげるためです。
例えば、人事異動で新たに配属された人の歓迎会を開催する際、「つきましては」を使って以下のように表現できます。
つきましては、歓迎の意を込めて4月10日(金曜)に歓迎会を開催いたします。
取引先に依頼(お願い)する際の例文(接続詞)
何かを依頼(お願い)する際も、接続詞として「つきましては」を使うことがあります。ある事柄を説明してから、「つきましては」を使って依頼しましょう。
取引先に、アンケートの協力を依頼する際の例文が、以下の通りです。
平素より弊社の○○をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、お客様が弊社のサービスに対してどのような感想やご意見を持っているかお伺いするため、アンケート調査を実施することにいたしました。ご回答いただいた内容は、今後のサービス改善の参考にさせていただきます。
つきましては、下記URLから弊社アンケートにご協力いただけますと幸いです。
(アンケート情報)
顧客に謝罪する際の例文(接続詞)
ミスやトラブルなどで顧客に謝罪する際も、「つきましては」を使うことがあります。まずお詫びした上で、「つきましては」を使って今後の対応策などを説明しましょう。
以下は、こちらのミスで、受けた注文と異なる商品を顧客に発送してしまった際の例文です。
つきましては、ご注文いただいた商品を本日付であらためて発送させていただきます。
どうか今後も変わらぬご愛顧のほど、お願い申し上げます。
会議やビジネスメールで説明する際の例文(連語)
会議やプレゼン、ビジネスメールなどで何かを説明する場合、連語として「つきましては」を使用します。会議で説明する際の使い方は、以下の通りです。
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「つきましては」の類語・ビジネスでの言い換え表現
「つきましては」には、いくつか類語や言い換え表現があります。接続詞で使う場合と、連語で使う場合に分けて確認していきましょう。
接続詞で使うなら「従いまして(は)」
「つきましては」を接続詞で使う場合、「従いましては」や「そういうわけで」で置き換えられます。ただし、「そういうわけで」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネスシーンでは「従いましては」を使った方がよいでしょう。
「従いましては」を使った例文
「つきましては」と同様に、前文の流れから結論につなげる際に「従いましては」を使います。以下は、根拠と依頼する内容を「従いましては」でつなげた例文です。
従いましては、3か月間人員を増やしていただくことはできませんでしょうか。
連語で使うなら「〜に関しては」
「つきましては」を連語で使う場合、「〜に関しては」「〜については」でシンプルに表現できます。一般的に、「〜について」よりも硬い表現とされている「〜に関しては」をビジネスシーンや書き言葉で使うとよいでしょう。
「〜に関しては」を使った例文
「〜に関しては」は、以下のように発表や報告などの場面で使います。
なお、「〜に関しては」だとカジュアルで失礼にならないか不安な場合は、「〜に関しましては」と表現するとよいでしょう。
「つきましては」を使う際の注意点
「つきましては」は、丁寧な表現ですが、いくつか注意しなければならないことがあります。それぞれ把握しておきましょう。
繰り返しの使用は控える
「つきましては」を繰り返し使用すると、冗長で言いたいことが伝わりにくいです。目上の人へ説明するため丁寧にしたつもりでも、使用頻度が高いとかえって不快な印象を与えかねません。適度に「つきましては」を使うことを心がけましょう。
対象が人や場所の場合は「おかれましては」
連語として使う「つきましては」は、物事や事象を指す際の言葉です。対象が人や場所の際は、「おかれましては」を使いましょう。
手紙や案内を出す際の以下の文言では、対象(皆様)が人のため「おかれましては」を使用しています。
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「つきましては」の使い方は主に2つ!
「つきましては」の主な使い方は、「文頭で接続詞として使う」と「連語として使う」の2つです。文頭で使えば前文から結論へつなぐ役割を果たし、連語として使えば物事や事象を受けられます。
いずれも丁寧で目上の人に対して使える表現ですが、何度も繰り返すと冗長で言いたいことが伝わりにくくなる点に注意が必要です。今後、ビジネスシーンで発表や案内をする際は、適度に「つきましては」を使うようにしましょう。
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