- 「面白いことはないかな」と思うときの心理とは?
- 面白いこと・楽しいことを探す方法
- 面白いこと・楽しいことのアイデア15選
- 人生を心から楽しむためのコツ
- 「面白いことはないかな?」を原動力に、自分の可能性を広げよう
ふとしたときに湧き上がる、「面白いことはないかな」という思い。その背景には、好奇心だけでなく、退屈感やストレス、疲労といった原因が隠れている場合もあります。こうした原因を解消するには、どうすれば良いのでしょうか。
本記事では、東京大学大学院の特任研究員で、メンタルヘルス対策の専門家である関屋裕希さんに伺った話をもとに、「面白いことはないかな」と思うときの心理から、「面白いこと」を見つける方法、具体的なアイデア、人生を楽しむコツまで、詳しく紹介します。
「面白いことはないかな」と思うときの心理とは?
そもそも、「面白いことはないかな」と思う背景には、どんな心理が隠れているのでしょうか? まずは、楽しいことを探しているときの心理について、詳しく解説します。
変化のない生活に退屈している
「毎日同じような仕事ばかり」「会社と家の往復で、楽しみがない」といったように、単調な生活に退屈していると、変化や楽しみを求め、新しい刺激を欲するようになります。
とりわけ、仕事が物足りなく感じ、就業時間がゆっくり過ぎるように感じる場合は、メンタルヘルスに支障をきたすこともあるため、注意が必要です。こうした状態は、「ボアアウト(退屈症候群)」と呼ばれ、仕事の処理能力が下がったように感じて自信を失ったり、気力が低下したりして、疲労感や倦怠感が強くなっていくことが分かっています。
ストレスや疲労が溜まっている
ストレスや疲労が溜まっているときも、気晴らしを求めて、面白いことを探すようになります。
何かに没頭することで、一時的にでも、悩みやストレスを忘れられたことがある人も多いのではないでしょうか。楽しさや達成感を感じる活動に集中すると、悩んでいる問題やストレスフルな毎日から心理的な距離を取ることができます。
面白いこと・楽しいことを探すときは、気晴らしになるだけでなく、ストレスや疲労の解消にもつながる方法を見つけることが大切です。
孤独感・寂しさを感じている
面白いことをついつい探してしまう背景には、孤独感や寂しさが隠れていることも。
人は、いっしょに楽しめることや共通の話題を見つけると、良好な関係性を築くことができます。そのため、社会的なつながりを求めているときは、誰かと共通の話題や経験を持ちたいと思うようになるのです。こうした心理も、面白いことを探す動機になるでしょう。
現状に不安や焦りを感じている
「今のままで良いのかな」という不安や焦りも、面白いことを探す動機の一つです。
今置かれている状況に満足していないと、「現状を変えたい」「成長したい」という意欲がかき立てられます。その結果、成長につながるような新しい経験や知識などを求めて、新鮮味のある楽しいことを探すようになるのです。
好奇心が高まっている
好奇心が高まっていると、人は「何か面白いことはないかな」と考え、やったことのない活動や触れたことのないジャンルに興味を持つようになります。
好奇心は、人間が未知のものを学び、成長するために欠かせない原動力の一つ。好奇心が高まっているときは、今まで触れてこなかったものを探したり、学んだりすると、満足感を得ることができます。自分の可能性を広げるチャンスにもなるでしょう。
面白いこと・楽しいことを探す方法
実際に面白いことを見つけるには、どうすれば良いのでしょうか? すぐに実践できる具体的な方法を4つ紹介します。
幼少期に楽しんでいたことを思い出す
まずは、幼少期に好きだったことや楽しかったことを思い出して、なぜそれが好きだったのか、どんな要素を魅力に感じていたのか、考えてみましょう。
例えば、昆虫採集と一口に言っても、「捕獲すること」、「コレクションすること」、「美しく標本にすること」、「人に見せること」、「育てること」など、魅力を感じるポイントは人それぞれです。「コレクションすること」に面白さを見出していた場合、何か興味を惹かれるものを集めてみると、満足感を得られるかもしれません。
このように、子どものときに好きだったことを思い出し、特に楽しんでいた要素をピックアップしてみると、自分にとっての面白いことや楽しいことを見つけるヒントが得られるでしょう。
友人や家族が楽しんでいることをヒントにする
友人や家族が楽しんでいる趣味をヒントにするのもおすすめです。「楽しい」「面白い」と思って取り組んでいることはないか、話を聞いてみましょう。自分だけでは思いつかないアイデアが得られることもあります。いっしょに楽しめることが見つかれば、共通の趣味に発展する場合もあるかもしれません。そのためにも、まずは気軽に聞いてみることが大切です。
いろいろな体験教室に行ってみる
体験教室は、面白いこと・楽しいことと出会えるチャンスを広げてくれる貴重な場です。「やったことがないから不安」「苦手意識がある」といった分野も含め、いろいろな体験教室に行ってみましょう。
先入観を持たず、「とりあえず1回参加してみる」というアプローチが重要です。まずは一度体験してみてから、続けるかどうかを決めると良いでしょう。「こんなに面白いならもっと早く試してみればよかった」と思えるような楽しみが見つかるかもしれません。
本屋や図書館に行く
現代はスマートフォンが普及し、紙媒体の書籍や雑誌に触れる機会が減っています。紙媒体を購入する場合でも、インターネットで検索して買う人も多いでしょう。
しかし、インターネット検索では、検索するキーワードに縛られてしまう傾向があるため、自分が関心のある範囲でしか情報が得られない場合も少なくありません。
一方、さまざまな本が並べられている書店や図書館では、自分のアンテナの外にあった情報やジャンルにも出会うことができます。盆栽、俳句、ものづくり、歴史、アートなど、普段は読まないジャンルの書棚エリアへ、ぜひ足を踏み入れてみましょう。思いもよらない新鮮な出会いがあるはずです。
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面白いこと・楽しいことのアイデア15選
ここからは、「面白いことはないかな」と思ったときに試してほしいアイデアを、15個紹介します。
インドア派におすすめのアイデア
料理
料理は、私たちが想像している以上に、クリエイティブな作業です。適度な難易度のレシピを選ぶと、夢中になって、あっと言う間に時間が過ぎる「フロー状態」を体験できるでしょう。フロー状態は、「無我の境地」「ゾーン」とも呼ばれる状態で、集中力が高まり、深い満足感が得られるといわれています。
料理をすると、作り上げた達成感や、食べるときの満足感を味わえるのもメリットです。作った料理を家族や友人などに振る舞えば、社会的な交流も楽しめます。
ホームパーティー
自宅に友人を招いて交流すると、お店などで会うときよりもリラックスでき、いつもとは違う雰囲気を味わえるでしょう。普段は話さないようなことも、話題に上がるかもしれません。
2~3人の少人数で、食べ物などは持ち寄りにすれば、気軽に開催できます。余裕があれば、料理を振る舞ったり、友人といっしょに料理を楽しんだりするのも良いでしょう。
ボードゲーム
次におすすめしたいのが、ボードゲームです。戦略的思考力や発想力などを鍛えながら楽しめるので、日常生活ではなかなか味わえない新鮮な遊び心を取り戻すことができます。いっしょにゲームをする友人や家族との交流も深められるでしょう。
最近では、多種多様なボードゲームが発売されており、初めてでも楽しめるゲームや会話をしながら楽しめるゲームなどもたくさんあります。参加するメンバーに合わせて選ぶと、さらに楽しめるでしょう。
読書会
本を通して人と交流する「読書会」もおすすめです。読書によって知識や教養を深められるだけでなく、他の人と話すことで新しい視点を得ることができます。
最近では、さまざまなテーマの読書会があり、ホームページやSNSなどを通じて参加者を募集している会も多くあります。好きなジャンルの読書会に参加して、共通の趣味を持つ人たちと交流する以外にも、あまり縁がなかったジャンルの読書会に参加して、新規開拓するのもおすすめです。
マインドフルネス
マインドフルネスとは、過去や未来ではなく、今この瞬間に意識を集中することで、自分の心と体の状態を観察し、ありのまま受け入れること。マインドフルネスの実践方法は、呼吸法、瞑想、ジャーナリング、ヨガなどさまざまです。どの方法でも、精神が安定し、ストレスが軽減されるほか、集中力や感情調整力などを高められることが分かっています。
習慣化するには、短時間でもいいので毎日続けることが大切です。慣れないうちはワークショップなどに参加するのも良いでしょう。
ヨガ
マインドフルネスの実践法の中で特におすすめなのが、ヨガです。ヨガを行うと、自律神経が整ったり、セロトニンが増えたりすることで、深くリラックスでき、ストレスや疲労、ネガティブな感情が軽減されます。「面白い」「楽しい」「気持ちいい」といったポジティブな気持ちも湧きやすくなるでしょう。
慣れないうちは、レッスンを受けるのがおすすめです。最近では、オンラインでヨガを学べるクラスが増えています。目的別にクラスを用意している教室もあるので、「体を鍛えたい」、「柔軟性を高めたい」、「気持ちを落ち着かせたい」など、自分の目的に合わせて選んでみましょう。
歌・ダンス
YouTubeなどの動画や音楽を視聴しながら、歌ったり踊ったりするのもおすすめです。歌やダンスが苦手な人でも、自宅でなら、誰かに見られたり、恥ずかしい思いをしたりすることもありません。上手い下手を気にせず、思い想いに体を動かし、声を出してみましょう。心がスッキリし、自然と楽しい気持ちになれます。
アウトドア派におすすめのアイデア
旅行
旅行に出て、これまで行ったことのない場所を訪れてみると、新鮮な楽しさや未知の体験を味わうことができます。時間に余裕がなければ、日帰り旅行でも問題ありません。
旅行に行く際は、計画を立て過ぎないのがポイントです。気の赴くままに、お店や美術館、公園、自然の中へと足を運んでみると、視野が広がり、何か面白いものに出会える可能性も高まるでしょう。
街歩き
遠いところまで足を延ばさなくても、冒険気分を味わるのが、街歩きです。行ったことのある街や、興味のある街でも良いですが、降りたことのない駅で降りて、気ままに周辺の街を探索してみると、思いがけない出会いがあるかもしれません。まずは、路線図を見て、気になる駅があったら、電車で出かけてみましょう。
聖地巡り
アニメや漫画、映画など、好きなコンテンツにゆかりのある聖地に行くのもおすすめです。アニメで描かれていた建物や風景、小説に出てきた実在する飲食店などに触れると、コンテンツを追体験することができ、ワクワクする気持ちが湧き上がってくるでしょう。
ハイキング・トレッキング
ハイキングやトレッキングもおすすめです。新緑や紅葉などの四季の移ろいや、滝などのダイナミックな景観を眺めながら体を動かすと、ストレスが軽減され、リラックスできるでしょう。
自分の体力に合わせて、少しだけ難易度の高いコースを選ぶと、無我の境地ともいわれる「フロー状態」となり、仕事や悩みごとなどから心理的な距離を取りやすくなります。
ガーデニング・家庭菜園
次におすすめしたいのが、ガーデニングや家庭菜園です。土や植物に触れると、五感が刺激されるので、感性が鋭くなったり、疲労感が軽減されたりします。
植物が育っていく過程を見守るだけでも楽しめますが、野菜など、収穫できるものを育てれば、達成感も味わえるでしょう。プランターを活用すれば、ベランダや玄関先などの小さなスペースでも始められます。本格的に育てたい場合は、畑を借りるのも良いでしょう。
キャンプ
自然の中でキャンプをして、リラックスしながら過ごすと、心身の疲れが癒されます。一人で行って、自由にのんびり過ごすのも良いですし、友人や家族と交流する機会にするのも良いでしょう。
キャンプでは、焚き火や料理、天体観測、釣りなど、さまざまなアクティビティを楽しめます。自分の興味や趣味に合わせて、計画を考えましょう。
「キャンプ用品を持っていない」「準備が面倒」といった場合は、キャンプをさらに手軽に楽しめる「グランピング」の施設を利用するのもおすすめです。
マリンスポーツ・ウィンタースポーツ
ビーチやスキー場など、日常生活とはかけ離れたリゾート地でアクティビティを楽しむと、ストレスや悩みなどから心理的な距離を取ることができ、リフレッシュできます。
日常生活ではスマホが手放せないという人も、アクティビティ中は目の前の活動に集中しているので、「デジタルデトックス」を自然と行えるのも、うれしいポイントです。デジタルデトックスとは、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスと距離を置くこと。ストレスや疲労の軽減などに効果があることが分かっています。
アクティビティをするなら、夏はサーフィンやSUP、冬はスノーボードやスキーがおすすめです。体幹が鍛えられるので、体の健康にもつながるでしょう。
その他
ボランティア
その他のアイデアとしておすすめしたいのが、ボランティアです。社会貢献を行うと、人との交流を深めることができ、「人の役に立てた」という思いから、深い充実感を得ることができます。
場合によっては、生涯の思い出になったり、自分のキャリアを見つめ直すきっかけになったりすることもあるでしょう。ボランティア活動を探す際は、自分の興味やスキルを活かせる活動を選ぶと、自己理解も深められます。
人生を心から楽しむためのコツ
「面白いことはないかな」と、つい考えてしまう背景には、退屈感や孤独感など、どこか満たされない気持ちが隠れていることもあります。そうした気持ちを満たして、充実した毎日を送るには、どうしたら良いのでしょうか? 最後に、人生を心から楽しむためのコツを紹介します。
他人と自分を比べない
一番大切なのは、他人と自分を比較しないことです。
つらいとき、しんどいときに、「自分の努力や我慢が足りていないからだ」「みんなも頑張っているのだから、自分ももっと頑張らないと」といったように自分を追い詰めてしまうと、もっとつらくなってしまいます。
また、SNSなどで、アクティブに過ごしている人を見て、「自分ももっと楽しまなきゃ」と考えてしまうと、面白いこと・楽しいことが義務のように感じられてしまうので、注意が必要です。つらいときは、SNSなどは控え、「自分は自分、今のままでいい」と、自身に声を掛けてあげましょう。
小さな目標を決めて行動する
ちょっとした目標を決めて、実行するのもおすすめです。小さな成功体験が積み重なることで、少しずつ自信が育っていきます。
「通勤のときに階段を使う」「週に1度はヘルシーな食事を作って食べる」「電車で困っている人がいたら席を譲る」など、小さな目標で十分です。自分が「こうしたい」と思えることを一つ決めて、行動に移してみましょう。
夢中になれる趣味を持つ
「夢中になっていたら、あっと言う間に時が過ぎていた」。そんな経験をしたことはありませんか? そんなふうに没頭できる趣味を持つのも、人生を楽しむ上で重要なポイントです。
ちょっと背伸びすれば達成できる難易度の物事に取り組んでいるとき、人は夢中になりやすいといわれています。取り組むのは、好きなことでも、未経験のことでも問題ありません。簡単すぎず、難しすぎないレベルで取り組んでみましょう。
一人の時間を楽しむ
一人の時間を楽しめる方法を見つけると、人生をさらに充実させることができます。
友人や家族といっしょに何かを楽しむのも良いですが、予定を合わせたり、場合によっては、気を遣ったりする必要があります。相手の意見の方を優先して、やりたいことができなかったというときもあるかもしれません。
一方、自分一人であれば、自分のペースで行動できるだけでなく、自分の感情や普段何気なく考えていたことなどにもゆっくり向き合えます。
自分に合った方法が見つからない場合は、一人でも入りやすいお店や、一人で来ている人が多くいそうな場所へ出かけてみましょう。自分に合う方法が分かってくるかもしれません。
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「面白いことはないかな?」を原動力に、自分の可能性を広げよう
「面白いことはないかな」と考える心理には、好奇心以外にも、退屈感や孤独感、ストレス、疲労などが隠れている場合もあります。楽しいことに没頭すると、深い満足感が得られるだけでなく、ストレスや不安などから距離をとってリフレッシュできるので、本記事で紹介したアイデアを参考にチャレンジしてみてください。
新しい刺激を求めて、未知の領域に踏み出せるのは、人間の一つの強みともいえます。一歩踏み出してみると、想像もしていなかった面白いことに出会えたり、自分の可能性を広げるチャンスになったりするかもしれません。「迷ったらやってみる」くらいの心持ちで、まずは小さなことから挑戦してみましょう。
監修:心理学博士、臨床心理士、公認心理師 関屋裕希
東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座所属。
早稲田大学文学部心理学専攻卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科発達臨床心理学分野博士課程修了。専門は、産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、業種や企業規模を問わず、ストレスチェック制度や復職支援制度などのメンタルヘルス対策・制度の設計、職場環境改善・組織活性化ワークショップ、経営層・管理職・従業員それぞれに向けたメンタルヘルスに関する講演や執筆活動を行う。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。
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