さまざまな角度で仕事のモチベーションを高める方法を紹介してきたキャリアコンパスですが、今回は「仕事を辞めたい」と悩むビジネスパーソン必見の映画を紹介します。
映画を選ぶのは、東京を拠点に全国各地の空間で世界各国の映画を上映する団体「キノ・イグルー」代表である有坂塁さん。キノ・イグルーでは「あなたのために映画を選びます。」という、個人面談でその人にぴったりの映画を選ぶイベントを行っています。そのイベントの要領で、「仕事を辞めたい」と考えるビジネスパーソンにピッタリの映画を教えていただきます。
映画はビジネスパーソンのカンフル剤!
最初に有坂さんから、映画が仕事にもたらす効用を聞きました。
「映画の主人公というのは、必ず何かしらの悩みを抱えている人たちです。悩みや葛藤を越えていくところにドラマが生まれるわけで、幸せいっぱいな人では、そもそも映画にはならない。
その見ず知らずの人たちの悩みを『共有』できるところに映画の良さがあります。作品を通して、人のミスや失敗をたくさん学ぶことができますし、生きるためのエネルギーまで与えてくれる。辞表を提出する前に、上記の中から自分のタイプにあった映画を見てください」
それでは、有坂さんがピックアップした「仕事を辞めたい」と思っている人にオススメの映画をご紹介しましょう!
仕事の楽しさを忘れてしまった人に
1:『月曜日に乾杯!』
(監督:オタール・イオセリアーニ/2002年/フランス=イタリア/127分)
「仕事の楽しさを忘れているということは、自分でも気づかないうちに日々の仕事をルーティン化してしまっているということです。そんなときは自分の置かれている環境自体を、客観的に見つめ直す視点が必要でしょう。
『月曜日に乾杯!』の主人公であるヴァンサンも、退屈な日常にうんざりしている工場勤務の仕事人。しかし、彼はある日突然、職場へ行くのをやめ、ワイン片手に水の都ヴェニスへと旅立ってしまう。また、そこで知り合った気のいい仲間たちと、飲んで、歌って、語らって、意気投合。いつしかヴァンサンの心も軽くなっていくのです。
ヴァンサンをあなたに置き換えて映画を見れば、きっと心に余裕が生まれるはずです」(有坂塁さん)
人間関係に悩んでいる人に
2:『いまを生きる』
(監督:ピーター・ウィアー/1989年/アメリカ/128分)
「人間関係に悩むあなたには心の師が必要なのではないでしょうか? 『いまを生きる』は、規則の厳しい全寮制のエリート高校で、抑圧された生活を送っていた生徒の前に現れた、型破りな教授ジョン・キーティングとその生徒の青春譚です。『教科書なんか破り捨てろ』と言い放ち、生きることの素晴らしさを教える故ロビン・ウィリアムズが演じたジョン・キーティング教授の金言は、きっとあなたの心に新鮮な風を運んでくれるでしょう。もし、以下の3つの言葉に心が動いたら、ぜひ本編をご覧になってみてください」
『今を生きろ若者たちよ。素晴らしい人生をつかむのだ。』
『“人は静かな絶望の中に生きる”という。甘んじるな。前進しろ。』
『君たちの瞳がこう言っているのが分かる。“人と違う生き方がしたい”と。』(有坂塁さん)
自分の将来に漠然とした不安を覚えている人に
3:『イエスマン “YES”は人生のパスワード』
(監督:ペイトン・リード/2008年/アメリカ/104分)
「自分の将来のことだけではなく、思考そのものがネガティブなほうへ偏っている方もいるのではないでしょうか。事態を好転させるためには、思い切った行動がときに人生の転機を生み出します。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』は、仕事でもプライベートでも“NO”とばかり答えていたネガティブ男が、あるきっかけで、何があっても“YES”と答えなければいけなくなり、そのおかげで人生が180度ポジティブな方向へと変わっていくコメディー作品です。
そんなこと現実では起こらないよ!……と言いたくなるかもしれませんが、じつはこの作品、実話をベースにしているんです。ちょっと見たくなったでしょ?」
給料の低さ、会社の待遇が不満な人に
4:『ショーシャンクの空に』
(監督:フランク・ダラボン/1994年/アメリカ/143分)
「まずは『プラダを着た悪魔』に出てくる、こちらのセリフに目を通してください。
『君は努力していない、グチを並べてるだけだ』
ハッとさせられた方は、何はともあれ努力をすることからスタートしましょう。反対に、やることはもうすべてやっていて『会社の待遇自体を改善したいんだ!』という方へおすすめなのが『ショーシャンクの空に』。
『ショーシャンクの空に』の主人公アンディーは、優秀な銀行の副頭取でしたが、無実の罪を着せられ終身刑となり、ショーシャンク刑務所に服役させられてしまいます。
しかし彼は、そこで他の囚人と友情を築きながら、図書館の充実など、刑務所内の待遇改善をはかる中心人物となっていきます。そんなアンディーの振る舞いにきっとあなたも影響されるはず。また、彼の押し付けのない交渉術は、仕事の参考にもなるでしょう」
独立/転職を考えている人に
5:『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
(監督:ジョン・ファヴロー/2014年/アメリカ/115分)
「もしあなたが本当に独立を考えているのなら、今日にでもこの映画を見てみてください! 間違いなくあなたの背中を押してくれます。
この映画の主人公カール・キャスパーは、有名レストランで料理長を務めながらも自分の意思で店を辞めます。そして偶然食べたキューバサンドイッチのおいしさに驚き、トラックでサンドイッチの移動販売をすることを思いつく。自分の生き方を発見するのです。
オンボロトラックを自分たちの手できれいにする。改造して立派な販売車に仕上げる。全米横断しながらキューバサンドを売り歩く。SNSを使った宣伝展開、仕入れ、注文取り、売上計算等々……。移動販売が成功していく過程を通して、独立して起こしたビジネスが成功するためのプロセスを、この映画は学ばせてくれるため、独立を検討している人は感化されること間違いありません。
また見ているとおなかが空く作品でもあるので、おいしいサンドイッチのご用意も忘れずに(笑)」
映画が理想のキャリアに導いてくれるかも?
いかがだったでしょうか? 「仕事を辞めたい」と悩むビジネスパーソンも、そうでない方も、こちらの記事で紹介した映画をぜひ一度見てみてください。映画との出会いが、物語のような理想のキャリアへあなたを導いてくれるかもしれません。
※この記事は2015/10/07にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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