人間は働きすぎ!? ライオン、シロナガスクジラ、モグラ…、動物たちの労働時間調査!

海外に比べて、働き過ぎと言われる傾向にある日本人。労働基準法で、1日の労働時間は8時間までと定められていますが、20代の1カ月あたりの平均残業時間は27.8時間(DODA調べ)となっており、誰しもが定時で帰れる生活を送れているというわけではないのが現実……。

人間は働きすぎ!? ライオン、シロナガスクジラ、モグラ…、動物たちの労働時間調査!

海外に比べて、働き過ぎと言われる傾向にある日本人。労働基準法で、1日の労働時間は8時間までと定められていますが、20代の1カ月あたりの平均残業時間は27.8時間(DODA調べ)となっており、誰しもが定時で帰れる生活を送れているというわけではないのが現実……。

もし、動物たちが獲物を狙う時間=仕事の時間とみたとき、彼らの働きぶりはどれほどのものなのでしょうか? 動物園ライターの森由民さんのお話をもとにまとめてみました!

ライオン


悠々自適の暮らしを謳歌

「『百獣の王』と呼ばれるだけあって、1日のうち、移動・狩り・食事などの『仕事の時間』はわずか3時間程度。群れ生活者なので、獲物になる動物を交替で見張ることもありますが、残りの時間は何もしていないことがほとんどなんです。しかもオスが本気で獲物を狙うことはまずなく、メスが集団で戦いに挑み、獲得したエサをオスライオン共々集団で頂くというスタイルを取っています。まさに動物界の王様と呼べる悠々自適な暮らしぶりですね」

平均労働時間:3時間
職業イメージ:F1レ-サ-

オオカミ


組織プレーで好機を作る策士集団

「狩りの基本は集団プレー。時速20kmというマラソンランナー並みのスピードを保って、5~6時間くらいかけて獲物を追跡することがあります。この際、追跡役、先回り役、待ち伏せ役など、10頭くらいの群れで連携をとりながら狩りを自在にこなしていくのです。追い込みも利き、時速60kmに達するダッシュを見せることもあるので、スタミナ十分と言えますね」

平均労働時間:5~6時間
職業イメージ:消防士

シロナガスクジラ


何もせずとも食っていける富裕層のような暮らし

「世界最大の哺乳類のシロナガスクジラ。歯はなく、上あごから数百枚の『ひげ板』が垂れています。大きく口を開けて海水を吸い込み、このひげ板でこしながら排出することで、オキアミなどを1日平均400kgほど食べます。しきりに移動し、捕食行動をしているのですが、これといった努力をせず、大量のエサを確保しているようでもあり、テレビを見てだらだらと過ごすニートにも見えてきますね」

平均労働時間:0時間?
職業イメージ:マンション経営

モグラ


起きている間は常に仕事の超ハードワーカータイプ

「小さな体でトンネルを張り巡らせるという重労働をこなすモグラ。その活動を支えるためには、働きながらもひたすらエネルギー補給に努めなければなりません。したがって、穴を掘っている間中、ずっとミミズを狙い、それを食べることによってまた働く……というまさに『働くために食べ、食べるために働く』生涯で、ワーカホリックな日本人そのものにも感じられます」

平均労働時間:12時間(起きている間中ずっと)
職業イメージ:漫画家

ワニ


『待ちのビジネス』のプロフェッショナル

「一見のんびりしているように見えるワニですが、彼らの狩りは、目と鼻だけを出して水中から、じっと獲物を待ち続けています。常に自分のテリトリーでスタンバイして、粘り強く『待ちのビジネス』をしている販売店のようにも見えてきますね」

平均労働時間:15時間(長時間日光浴する種もいるようです)
職業イメージ:自動車ディーラー

人間の仕事の基準に合わせたとはいえ、動物によって悠々自適に暮らすタイプもいれば、働き詰めのタイプもいるということなんですね。働きすぎで疲れたときは、動物たちの仕事ぶりに思いを馳せてみるのもいいかもしれませんよ!


(識者プロフィール)
森由民/動物園ライター。 専門学校での講師や各メディアでも、動物園について紹介している。動物園ツアーの企画なども行なう。

最新著書 「約束しよう、キリンのリンリン」(フレーベル館)
ブログ 「勝手に来たZOO!森由民のスペシャル動物園案内!

※この記事は2013/07/12にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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