「夢見るリアリスト」が厳選! 好きを仕事にするための必読書5選

好きなことを仕事にするなんて、自分にはできない――そう諦めていませんか? 今回は、夢を現実化するための過程をつづったブログjMatsuzakiを運営するjMatsuzakiさんへのインタビューです。

「夢見るリアリスト」が厳選! 好きを仕事にするための必読書5選

好きなことを仕事にするなんて、自分にはできない――そう諦めていませんか? 今回は、夢を現実化するための過程をつづったブログjMatsuzakiを運営するjMatsuzakiさんへのインタビューです。

jMatsuzakiさんは、もともとシステムエンジニアとして働いていました。しかし昔から抱いていた「音楽家になりたい」という夢を諦めきれず、脱サラを決意します。ブロガーとしての実績を積み、ブログ開設から1年後にフリーランスとして独立しました。そんなjMatsuzakiさんから、「好きを仕事にする」ために必読の本を5つ紹介してもらいました。

夢見るすべての人に捧げたい入門書


1:『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィー著 フランクリン・コヴィー・ジャパン訳 キングベアー出版


「私はブログを始めるにあたって本を読んだり、ほかのブロガーさんに会ったりしていたのですが、必ずといっていいほど言及されていたのがこの『7つの習慣』でした。いわゆる『成功本』の代表格といってよいほど有名な本です。

この本は、『7つの習慣――成功には原則があった!』に読みやすく手入れをした新版。内容はその名のとおり、成功の土台となる人格を構築するための原則である『7つの習慣』が解説されているのですが、その前に『パラダイムと原則』という章があります。とりあえずこの章だけでも読んでほしいです。そこには『パラダイムシフト』と『インサイドアウト』という2つの考え方が載っています。

『パラダイム』というのは『ものの見方』であり、『パラダイムシフト』はものの見方が変わるということです。ものの見方が変われば行動も変わり、自分の好きなことに没頭できます。

『インサイドアウト』というのは、自分の内側から外側に働きかけるというもの。これと反対の意味を持つ言葉として『アウトサイドイン』という状態があるのですが、アウトサイドインでは自分が外部から影響を受けているという状態になります。この状態だと自分の好きなことを主体的にできません。まずはパラダイムシフトとインサイドアウトという考え方を理解することが、良い習慣を定着させるための大前提となります」(jMatsuzakiさん:以下同じ)

自分の行動を「抑止」しているものの正体を明らかにできる本


2:『スタンフォード大学の超人気講座 実力を100%発揮する方法』 シャザド・チャミン著 田辺希久子訳 ダイヤモンド社


「物事には推進力と抑止力があります。推進力があっても抑止力が働けば前に進めません。そのため、推進力を上げると同時に抑止力を下げる必要があります。その抑止力の正体を教えてくれるのがこの本です。

本書では、抑止力のことを『妨害者』と説明しています。人間の中には10種類の妨害者がいて、それぞれ『優柔不断』とか『八方美人』といった性格を持っています。実は、世の中の約8割の人は、この妨害者によって抑制されてしまっているのです。

この本を読めば、自分の中にどんな種類の妨害者がいるのかが分かります。私の場合は『八方美人』という妨害者がいることが分かりました。この妨害者が『大きな夢を語って人からバカにされるのはみっともないぞ』と主張し、行動に抑止力が働いていたというわけです。

自分の中にいる妨害者の正体を突き止めるだけではなく、『どうすれば自分の抑止力を下げることができるのか』という解決法まで教えてくれます。そういった意味で、ポジティブな思考になれる良書です」

日本人サラリーマンによる、日本人サラリーマンのための指南書


3:『サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法』 立花岳志 大和書房


「著者の立花岳志さんは41歳のとき、次期社長とまで言われていたポストを投げ捨てて独立。ブロガー・著者・講演者となりました。40歳を越えればそれ相応のポストに就いていますし、新しい道に進むのはなかなか難しいはず。しかしこの本は、『新しいことに挑戦するのに遅すぎることはない』ということを教えてくれます。

いわゆる成功本と呼ばれるものは、日本社会独特の雰囲気を考慮せずに書かれていることが多いです。例えば『脱サラしてフリーになる風潮ってどうなの?』のような空気感が日本には少なからずありますよね? 本書ではこの空気感にも言及し、それに対する配慮もされています。これは数十年間、日本のサラリーマンとして働いていた立花さんだからこそ書くことができた本だと思います」

玄人のタスク管理術を初心者向けに解説した本


4:『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬! タスクシュート時間術』 佐々木正悟著 大橋悦夫監修 技術評論社


「好きなことをして生きていくには、死ぬまで継続できるタスク管理術を使わなくてはなりません。そこでおすすめしたいのがこちらです。この本の著者は、仕事を楽しくする研究日誌『シゴタノ!』で執筆しながら『ライフハック心理学』というブログを運営している佐々木正悟さん。多くのタスク管理術が高いモチベーションを必要としている中で、佐々木さんの紹介する管理術は心理学の観点から説明されており、無理なく進められます。

ここで紹介されている管理術は『タスクシュート』というものです。この考え方は、佐々木さんとシゴタノ!主宰の大橋悦夫さんによって確立されました。もともとタスク管理術に詳しい『玄人向け』の側面がありましたが、それを初心者にも分かりやすく解説しているのが本書です」

「どうやってお金を稼ぐか」を明確にしてくれる本


5:『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』 山口揚平著 アスキー・メディアワークス


「私はフリーになって半年で、貯金が0円になってしまいました。再起を図るべく実家に引っ越し、今後の戦略を立てている最中に出会ったのが本書です。この本を読んで、『好きなことを諦める必要はないんだ』と勇気づけられたのを覚えています。

この本では、『何をやるか』と『どう売るか』は別物だと説明しています。『どう売るか』の知識がないと、いくら自分の好きなことをやっても絶対に収入になりません。その『どう売るか』の方法を説明しているのが本書です。特にこの本に載っているマトリックス図では、ビジネスの収益モデルをいくつかの軸に分類して解説しています。

例えば、フリーランスの収入の形態は(1)スポット、(2)ストック、(3)エクイティの3種類に分かれます。(1)はサービス提供ごとに得られるもの、(2)は月ごとに定額で得られるもの、(3)は成功報酬型(例えば、コンサルティングとして売上の○%を受け取るなど)で得られるものです。ここで収入の形態を(1)から(2)に変えるだけでも、収入は安定するでしょう。このマトリックス図は事業を営む上で必要になってきますから、とりあえずこの図だけでもチェックしてほしいですね」

「好き」を仕事にすることにリスクは無い


最後にjMatsuzaki氏から夢を諦めかけている若手ビジネスパーソンへのアドバイスです。

「好きなことで食べていくことは一見リスクがあるように思えますが、実際はリスクではありません。そもそもリスク自体、きちんと段階を踏めば減らすことが可能です。会社員をやりながら副業として仕事をして、月20万円稼げるようになったら独立するようにすれば、リスクは限りなくゼロに近くなります。

また『もう年齢的に遅い』とか『まだ若いから独立は早い』と考える人が多いですが、それはただの言い訳にすぎません。実際は独立するのに早いも遅いもないのです。ですから、まずは自分の立場を言い訳にして、逃げないようにするのが良いと思います」

いかがでしたでしょうか。jMatsuzaki氏のように完全にフリーランスとして独立するとまでは考えていなくても、「好きなことを仕事にしたい」と考える方には、これらの本は大変参考になるものばかりです。ぜひ時間をつくって本を手に取ってみてはいかがでしょうか?


(取材協力)
本の要約サイト flier(フライヤー)

(参考サイト)
完訳 7つの習慣の書評・要約 スティーブン・R・コヴィー

プロフィール


jMatsuzaki(松崎 純一)/
システム系の専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生のころからの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。2015年からは同名のバンド活動を開始する。

※この記事は2015/01/28にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています。

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