最近は仕事やビジネスに関するカタカナ語が新たにどんどん生まれています。
そこで今回は、新入社員として覚えておきたいビジネスカタカナ語を紹介していきます。
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新入社員として覚えておきたい、よく使われるビジネスカタカナ語
世はカタカナ語であふれている
昨年、10年ぶりに改訂された『広辞苑』では、「クラウド」「エントリーシート」など多くのカタカナ語が新たに追加されました。そこからも分かるように、日常生活でもカタカナ語を耳にすることが増えています。
ビジネスでもその傾向は同様です。社内共通語として、ごく当たり前にカタカナ語が使われていることも多いので、会社に入る前に知っておくと少し得をするかもしれません。
ただし、たとえ同じ言葉でも、会社や業界によって定義が異なるケースがあるので、使うときには少し注意が必要。
TPOに応じて会話の文脈で自然な使い方ができれば、よりスマートな印象を与えられるので意識してみましょう。
会社でよく使われるカタカナ語
それではさっそく会社でよく使われるカタカナ語の意味と使い方を紹介していきたいと思います。
「アジェンダ」|agenda
「アジェンダ」は「検討すべき議題」「当面の予定」を意味する言葉。
各国同士の国際会議の場でよく用いられることから、予定や計画という言葉よりももっと包括的な意味合い(構想のような)で使われることが多いです。
似たような言葉に「レジュメ」がありますが、こちらは「会議資料」「式次第」「論文のまとめ」を意味します。
「アジェンダ」が「予定」なのに対して、「レジュメ」は「要点」というイメージです。
【使用例】
上司:本日の会議の「アジェンダ」を教えてくれ。
部下:会議のテーマは「業務効率化」についてです。
部下:明日の打ち合わせの「アジェンダ」を作成しています。
上司:分かりやすく箇条書きで頼むよ。
「リソース」|resource
もともとの英語は「resource」で、「資源」「資金」「財産」という意味。
そこから人・モノ・金・情報などのことを広く「リソース」と言ったりします。
また、IT系の企業ではパソコンの容量・処理速度のことをリソースと呼ぶ場合もあります。
【使用例】
社長:今後の課題は「どうやって(ヒューマン)『リソース』を確保していくか」だ。
役員:人材集めについての戦略を本格的に考える必要がありますね。
社員:パソコンの動作が遅くて仕事にならないんです。
エンジニア:「リソース」不足が原因ですね。
「グロース」|growth
「グロース」はもともとの英語とほぼ同様で「成長」を意味します。
「グロース」」単体で使われることもありますし、最近では「グロースハック」「オーガニックグロース」なる言葉も登場しています。
ちなみに「グロースハック」はIT業界でよく用いられる概念で、「サービスの改善を続けながら、持続的に成長していく仕組み」のことを指します。
「グロースハック」をする人を「グロースハッカー(成長を仕組み化する)」と呼んだりもします。
また、「オーガニックグロース」は、企業の内部資源を活用して既存の商品・サービスを成長させていくことです。
【使用例】
新入社員:Webメディアを「グロース」させるために必要なことは何ですか?
マーケティング担当者: PDCA(※1)を回して、改善をし続けることが大切です。
マーケティング担当者:この事業の売上を高めるために人を集めましょう。
採用担当者:「グロースハッカー」を募集するのがいいかもしれません。
※1 PDCA:Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)の略。計画・実行・評価・改善を繰り返すことによって、プロジェクトや業務を継続的に成長(改善)させていく、という意。
「KPI」|Key Performance Indicator
「KPI」は「Key(鍵) Performance(業績、成績など) Indicator(計器)」の頭文字をとった略語。
定めた目標に対して、その経過や進捗を見るための中間目標の指標を指します。
似た言葉に「KGI(Key Goal Indicator)」がありますが、こちらはゴールとあるように最終的な目標達成の判断基準。「どのような状態になったら目標達成なのか」を示す指標です。
そのため、「KPI」は「KGI」というゴールにどれだけ近づいているのかを図るために細かく設定されます。
【使用例】
上司:売上目標の達成に向けて「KPI」を設定してください。
部下:分かりました。「月間売上」「新規顧客獲得」「リピート率」について、具体的に設定したいと思います。
先輩:「KPI」に対しての進捗はどれくらい進んでいますか?
後輩:メディアの訪問者数はほぼ達成見込みですが、コンバージョン率(※2)は少し遅れています。
※2 コンバージョン率:Webサイトなどで、訪問者数に対して収益・成果につながった人数の割合
「フィックス」|fix
「フィックス」は英語の意味そのままなので、理解しやすいと思います。
「固定する」「決める」という意味で、「カチッと型に収める」イメージ。何かを「フィックス」したら、それが最終決定事項となります。
相互に合意することを前提としているので、その後の誤解を防ぐという意味でも大切な言葉です。
さまざまな場面で使われるので、しっかりと覚えておきましょう。
【使用例】
デザイナー:このパッケージデザインで「フィックス」してもよろしいでしょうか?
顧客:そうですね。これでいきましょう。
上司:会議で決まった内容を教えてくれ。
部下:それでは「フィックス」事項を後でメールしておきます。
「リスケ」|reschedule
「リスケ」は「リスケジュール(re-schedule)」の略。
「re」ということからも分かるように、決まっている予定を再度変更することを意味します。
会議や打ち合わせの日時変更などでよく使われます。
【使用例】
先輩:明日の会議、「リスケ」になったって聞いた?
後輩:はい。部長の都合で来週の月曜日に変更になりましたね。
顧客:こちらの都合で納期を1週間前倒ししてほしいんだけど。
営業:かしこまりました。社内の調整をして「リスケ」しておきます。
カタカナ語はとても便利。でも、多用し過ぎにはご注意を
カタカナ語は使えると役に立つことも多いので、しっかりと覚えておきましょう。
ただし、使い勝手がいいからと言ってあまりに多用しすぎると、「鼻につく」「逆に分かりづらい」と思われてしまうことも。
また、しっかりと意味を理解して使わないと、赤っ恥をかくこともあるので気をつけましょう。実際に活用するときには、意味を把握したうえでさらりと使うのがスマートな印象を与えるコツ。
ここで取り上げた用語はごく一部です。ほかにもさまざまなカタカナ語が存在しますので、今後も知っておくと便利なビジネスカタカナ語を紹介していきたいと思います。
【よく使われるビジネスカタカナ語まとめ】
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