オートフィルとは、自動で連続データを生成してくれるMicrosoft Excel(以下、Excel)の機能。有名な機能なので、すでに知っているという方も多いと思います。ただし、オートフィルは意外と奥が深く、しっかりと理解して使いこなしているビジネスマンは決して多くはないのではないでしょうか。
そこで今回は、オートフィルにまつわるいろいろなテクニックをご紹介します。あなたは、オートフィルについてどれぐらい知っていますか?
オートフィルで連続データになるデータの種類とは?
オートフィルは、セル上の値に対して黒の十字マークをドラッグすることで連続データを生成します。連続データを作成できるデータの種類を以下に記載します。
【連続データを生成できるデータの種類】
・年月日(英語や旧暦にも対応)
・曜日(英語にも対応)
・干支
・四半期
・数字が含まれている文字列
・数式 など
日付についてですが、「Jan、Feb、Mar…」や「睦月、如月、弥生…」など英語や旧暦にも対応しています。また、数字が含まれている文字列というのは、「あ-1」「ポイント1」「1番」のように、文字と数字を合わせたもの。オートフィルをかけると、数字だけが変化した連続データを作ることができます。
オートフィルで連続データにならない場合の対処法
「1」と入力されているデータに対して、オートフィルをかけるとどうなるでしょうか?
この場合、連続データではなくコピーになるため、「1」が縦にずらっと並びます。「1」「2019」のように数字単体だと「数字にどのような意味があるのか」をExcel側が判断できないため単純なデータコピーになります。
これを連続データにしたい場合は、「オートフィルオプション」を使って連続データに変更することができます。
ほかにも最初から連続データにする方法があります。それはCtrlキーを押しながら、ドラッグしてオートフィルをかける方法です。これにより「1」の羅列ではなく、「1、2、3…」というように連続した数字を入力できます。
一方、日付など連続データになる場合にCtrlキーを押すと、逆にそのセルのコピーになります。知っていると活用できる場面がかなりあると思いますので、ぜひ覚えておきましょう。
オートフィルをさらに活用するためのテクニック
最後に、一歩先ゆくオートフィルテクニックをご紹介します。
等差の連続データにしたい場合に使える方法
「偶数の数列」や「10ごとの数列」のように等差数列を作るには、まず数列の最初の2つのデータを手入力します。それらのセルを選択して、オートフィルをかけましょう。そうするとデータの差を踏襲した等差数列が生成されます。
表の見た目を崩さずにオートフィルする方法
オートフィルをかけたことで表の色や罫線が変わってしまう場合があります。この場合、「オートフィルオプション」の「書式なしコピー」を選ぶことで値の情報のみを複製することができます。
日付の月を連続データにしたい場合に使える方法
「11月1日」に対してオートフィルをかけると「11月2日、11月3日…」というように日にちの部分だけが1日ずつ増えていきますよね。これは一般的ですが、実は月の部分だけを増やすこともできます。
オートフィルをかけたあと、「オートフィルオプション」の「連続データ(月単位)」を選択すれば、月のみを増やしたデータを作成できます。ほかにも「連続データ(週日単位)」「連続データ(年単位)」などがあり、作りたいデータによって選択オプションを変えることが可能です。
1~10000までの連続データを瞬時にオートフィルする方法
1~10000のように大量の連続データを作りたい場合、マウスでドラッグしていては大変です。そんなときは「連続データの作成」というメニューを使いましょう。「ホーム」タブ→編集内にある「フィル」→「連続データの作成」で呼び出すことができます。使い方の手順は以下の通りです。
【手順】
列の頭の数字を手入力する(この場合は1)
- そのセルを選択した状態で「連続データの作成」を呼び出す
- ダイアログボックス内の範囲を「列」、種類を「加算」に指定する
- さらに、増分値と停止値をそれぞれ「1」「10000」に設定して「OK」をクリック
すると縦に1~10000の数字が並びます。
この方法を使えば「1、3、9、27…」「1、5、25、125」などの等比数列も作れてしまいます(その場合は種類を「乗算」にする)。
意外と奥深いオートフィル。使用頻度が高いからこそ学習効果も高い
オートフィルはExcel機能の中でトップクラスに使用頻度の高い機能です。そのため、うまく使うことができれば、作業効率のアップは間違いありません。今回ご紹介したテクニックを覚えておき、使えそうな場面があれば積極的に活用してみましょう。
また、オートフィルの進化形「フラッシュフィル」も便利な機能です。以下の記事ではフラッシュフィルについても詳しく説明していますので、あわせてチェックしてみてくださいね。
【Excel】オートフィルの上位互換「フラッシュフィル」がすごい! 関数いらずの優れもの
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