「明日の朝、きっと二日酔いだな。年末はこれだから大変……」そんなことを考えながら、つい断りきれずにまた次の飲み会へ――。
そんなときは店に向かう前や飲み会の帰り道など、身近なところで手に入る、二日酔いに効果的とされる食べ物で対策。古くから伝わる対処法は科学的に理にかなっているものもあるので、試してみては?
頭痛や吐き気…二日酔いになる身体のメカニズムはまだ解明されていない!?
実は二日酔いになる原因やメカニズムは、まだ明らかになっていません。今のところ考えられている原因は、胃腸障害やホルモン分泌異常による脱水、酒に含まれる不純物、もしくは体質によるアルコールが肝臓で分解される過程でアセトアルデヒドなどが血中に増えるなどです。それによって、頭痛や吐き気などの不快な症状が身体にあらわれるのではないかと考えられています。
明らかになっていない要因も複雑に絡まっていると考えられていて、特効薬もまだありません。飲み過ぎないことが現在の最大の予防策。とはいえ、年末年始はそうも言っていられません。
まず、胃粘膜を守るためにも、食事をきちんと食べながらお酒を飲むこと。また、チェイサーなどでしっかりと水分補給をしながらお酒を飲むことが重要です。そして、二日酔いになってしまったときもホルモン分泌の影響で脱水症状になりやすいので、十二分な水分補給をするように心がけましょう。
オルニチンで肝臓をサポートする「飲み前レスキュー」
昔から二日酔いには「しじみ汁」と伝えられています。科学的にも、しじみにはアミノ酸の「オルニチン」が含まれており、「オルニチン」は肝臓の働きを助けてアルコール代謝をアップするという報告があります。しじみ汁を飲み会の前に飲んで肝臓をサポートするのも一計かもしれません。
飲み会があると分かっていれば、昼食のときにコンビニでしじみ汁を買っておいて、出発前に飲んでもいいでしょう。
「頭痛レスキュー」はカリウムでアセトアルデヒドを排出!
飲酒後、アルコールが分解される過程で毒性のアセトアルデヒドが血中に残っていると、頭痛に繋がると考えられています。そんな毒素はとにかく早く体内から排出することが肝心。
そこで、利尿作用のあるカリウムが豊富な野菜や果物を摂りましょう。昔から柿や梨、キュウリの絞り汁、トマトジュースを飲むのが二日酔いには効果的と言われているのも、そのような働きがあることが経験則として知られていたのでしょう。
特に、トマトジュースはカリウムを含むだけでなく、飲酒後の摂取でアセトアルデヒドを代謝する酵素を活性化し、代謝をスムーズにして酔いの回りを緩和するという報告もあります。
トマトジュースなら帰り道のコンビニで簡単に手に入ると思います。寝る前に飲む用と、起きてから飲む用の2本買っても数百円なので、それほど痛い出費ではないでしょう。
「吐き気レスキュー」には生姜のジンゲロール
吐き気がひどいときは、油ものを食べることは控え、しばらく胃を休ませましょう。水分補給には生姜湯が効果的です。生姜の辛味成分ジンゲロールは、吐き気を引き起こすセロトニンを抑える働きがあると考えられています。
飲んだその日に吐き気をもよおすほど飲んでしまっては、食事で処置をするのには限界がありますが、翌朝吐き気を感じないためにも忘年・新年会シーズンの冷蔵庫には生姜を常備しておいてはいかがでしょうか。
普段は料理をしない人も、すり下ろした生姜をストックしておいて、さっとお湯に溶かして就寝前と起床後に飲むようにしましょう。あの苦しい吐き気を避けるためなら、やらない手はないでしょう。
食品は薬ではないのでどの程度効果があるかは未知数なところもありますが、古くから伝わる対処法を活用して、忘年会・新年会シーズンを乗り切りましょう!
参考:
◆「二日酔いのメカニズム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html
◆「トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることをヒトで確認」(アサヒグループ、カゴメ共同研究)
https://www.kagome.co.jp/company/news/2012/001371.html
プロフィール
フードコーディネーター、NR・サプリメントアドバイザー
南恵子
現在、食と健康アドバイザーとして、健康と社会に配慮した食生活の提案、レシピ提供、執筆、講演等を中心に活動。毎日の健康管理に欠かせない食に関する豊富な情報を発信している。また、裏千家専任講師、日本茶インストラクターとして、日本茶への造詣も深い。
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