手帳に記入したりメモを取ったり……と、仕事をする上で欠かせないのが、ボールペン。書き味や線幅など選ぶポイントは多いですが、意外と見落としがちなのが、書いたあとの「読みやすさ」。そこで今回は、読みやすさ抜群の最新ボールペンを紹介します。
書いた文字の読みやすさに重要な点はいくつかありますが、まず気になるのはインクの発色。ぼんやりした色でにじんだ文字よりも、クッキリと鮮やかな色の文字の方が読みやすいのは当然でしょう。
そのクッキリ発色に特にこだわって作られたのが、2月に発売されたばかりのゲルインクボールペン「uni-ball one」(三菱鉛筆)です。
ただ、いくら「クッキリ発色ですよ」とアピールされても、実際にどれぐらいクッキリしているのか分からないと手に取りにくいですよね。
じゃあどうすればクッキリ加減が分かるのかと言えば、話は簡単。他のボールペンと比べてみれば一目瞭然でしょう。逆にパッと見で分かるぐらいに差がなければ、あまり買う意味もないはずですし。
こちらは、市場で人気の高いゲルインクボールペン(ジェットストリームのみ油性インク)を中心に、最も使用頻度の高い黒インクで塗りつぶしと線を比較したものです。
こうやって並べて見ると、ひとくちに黒といっても、青っぽい黒や赤っぽい黒があったりと、さまざまに違うのが分かります。その中でも「uni-ball one」は明度が低く 、シンプルに「黒い!」という印象が強いはず。
さらに、普通に書いただけなら同レベルで黒いな、と思える「ENERGEL」(ぺんてる)の筆記線と並べて斜め上から照明を当ててみると……。
この通り、「uni-ball one」は光を反射せずに黒々。つまり、テカりが少ないということになります。
インクがテカる書類を長時間読み続けると、目が疲労します。反射の少ないマットな黒というのは、それだけでかなり価値がある感じ。
文字の読みやすさで言えば、少なくとも現行商品の中では間違いなく最強最高と言って良いと思います。
発色の決め手は新開発のインク
この発色は、新開発のゲル顔料インク「ユニボール ワンインク」によるもので顔料(色の素となる色材) を特殊な粒子に閉じ込めたビーズパック顔料を使用しています。
一般的なゲル顔料インクの場合、インクの速乾性と長期安定のために顔料を細かく分散させているんですが、その分だけ紙繊維に浸透しやすく、顔料本来の発色性能が発揮できません。
顔料を大きくすれば紙の上に残るので発色は良くなるけど、でもインクの中で顔料だけが沈んでしまい、安定しない。そこで、サイズを大きいまま軽くするため、特殊な粒子に顔料を閉じ込めたのが、新しいビーズパック顔料です。
これなら顔料のクッキリした色がそのまま出る、という仕組みです。
水分だけ吸収されて顔料が紙の上に残るということは、紙の裏面にまで色がにじんでしまう、いわゆる「裏抜け」防止にもつながります。
手帳などの薄い用紙だと、ペンによってはこの裏抜けが気になるところですが、そういったトラブルがないというだけでも、使うメリットがあるのでは。ちなみに速乾性もなかなか優秀です。
シンプルなルックスに充実のカラー
線幅は0.5mmと0.38mmの2タイプありますが、インクカラーのラインナップは0.5mmが10色に対して0.38mmが20色と、メインは極細の0.38mm。
近年は手帳の小さな紙面にも細かく書ける極細字が人気で、ユーザーも増えているようです。個人的な話、筆者も以前から0.38mmの極細をメインに使っているので、このラインナップはうれしいところ。
ピンク系だけでも3種類あったりとニュアンスカラーが揃っているため、自分好みの色を選ぶ楽しみもあるでしょう。
また、ラインナップでもうひとつ個人的にうれしいのが、主に0.38mmに入っているカラーブラック系=ブラウンブラック、ボルドーブラック、グリーンブラック、ブルーブラック(ブルーブラックのみ、0.5mmもあり)です。
これは、普通に筆記色として使える黒さがありつつ、よく見ると微妙にカラーが入っているというもの。
黒々とした視認性と、あまり使っている人がいないというオリジナリティの楽しみを兼ね備えているため、文房具ファンの間では人気がジワジワと高まっているカラーです。
さすがにビジネス用のオフィシャルな書類には使いづらいかもですが、パーソナルなメモ書きやノートに使うなら、オススメ。
オフィス内でこの特殊な色を使ってるのは自分だけ!という密かな愉悦が味わえます。
ペン自体のルックスは、軸全体に余分な凹凸がなくスッキリしたオフホワイト軸(ノックノブまで同色)に、これまたスッキリしたワイヤークリップを備え、カラー表示はクリップ基部のみ。ここしばらくのボールペンのトレンドど真ん中な、かなりシンプルなタイプです。
高級感はありませんが(そもそも1本120円だし)、日常使いのペンとしてはまったく問題ないでしょう。
なにより、他の追随を許さない圧倒的なクッキリ発色は、ただ普通に書いているだけでも十分な楽しさがあります。
とりあえず黒またはカラーブラック系はマストで買うとして、あと何色か追加で好みをペンケースに入れておきたいな、と思わせる最新ペンです。
【商品情報】
uni-ball one/三菱鉛筆
https://www.mpuni.co.jp/products/ballpoint_pens/gel/uniball_one/one.html
文・写真=きだてたく
編集=五十嵐 大+TAPE
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