親しき仲にも礼儀あり! 謝罪はしっかりしよう
同僚や同期にはきちんと謝罪しづらい、という方は多いかもしれません。しかし謝罪をおざなりにすると、ビジネス上の「チームワーク」を乱すリスクが高まります。上下関係のない関係だからといって、謝罪をおざなりにしてはいけません。
逆に、しっかりとした謝罪さえできれば同僚・同期との信頼関係はより良い方向に再構築できるわけです。その点も踏まえて以下のポイントをおさえながら、謝罪へ臨みましょう。
・謝罪時に過去のミスを指摘するのはNG
同期や同僚に謝罪するとき、つい余計なことを話してしまいがちになります。よくあるのが、相手の過去のミスを引っ張り出し、「あの時あなたも同じようなミスしてたよね」と指摘をすること。おそらく、謝罪する側は「お互い気をつけよう」というニュアンスで話をしているのかもしれませんが、謝られている側からすれば、いきなり自分が犯した過去のミスを引き合いに出され、ただ不快になるだけでしょう。これではせっかく誠意のある謝罪をしていても、意味がありません。
・後ろで手を組む姿勢もNG
これは同僚・同期への謝罪に限ったことではありませんが、手を身体の後ろで組む姿勢は「拒否」を表してしまうためNG。社会人として基本的なマナーの一つでもあるので注意してください。日頃から手を前に組むか、体の側面に並べるように癖をつけておきましょう。
・「同僚・同期だから許してくれるはず」。そんな甘えは捨てよう!
例えば、もしもあなたの同期が大きなミスをして、自分に迷惑をかけたとしましょう。その時、同期から「ごめーん! でも同期だし許してくれるよね?」と言われたらどう思うでしょうか? もうこの人のミスには関わりたくないと感じるはずです。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉もあるように、同じ境遇で頑張ってきた仲であっても、ミスを犯し迷惑をかけた時は、甘えを捨てて謝罪することが大切です。
不思議なことに、こうした甘えは、自分では意識していなくても知らず知らずのうちに相手に伝わってしまうもの。特に「話し方(声のトーン)」「表情」「服装」「ちょっとしたしぐさ」にはよく出てしまいます。そのため、もし謝罪時に浮いた気持ちがあるのなら、まだ謝罪しない方が良いでしょう。謝罪しても「あの人は絶対に反省していない、どうせ口先だけだ」と思われてしまい、本末転倒な結果を引き寄せるだけです。
謝罪に必要なのは誠意と誠実な態度。甘えが出ないように、しっかり整理をつけてから謝罪に臨んでください。
同期に対する謝罪が恥ずかしい……。電話やメール、LINEで謝罪はあり?
確かに、同期に対し面と向かって謝るのは、多くの人が恥ずかしさを覚えるものです。そのせいで電話やメール、LINEで謝りたいと思ってしまう気持ちもわからなくもありません。
しかし社会人としては、謝罪をする時は自分から相手のところへ足を運ぶのがマナーです。恥ずかしいというだけで、同期との信頼関係を壊しかねない謝罪方法を選ぶよりも、一瞬の恥ずかしさをこらえ、今後のためにより良い信頼関係を築く行動にシフトした方が、居心地の悪さを感じることはないでしょう。
また、メールやLINEでは本来放つ言葉に含まれる「思いの強さ」が伝わりづらくなってしまいます。電話においても表情が見えないため、対面より伝わりづらさを感じやすいはずです。先述したように、謝罪の際に必要なのは、「謝意を伝えること」なので、対面が一番です。
ただし、同期が出張や外出でしばらく帰ってこない場合は、まず先にメールやLINEで謝罪をしても良いと思います。また昨今は、コロナウイルスの影響でテレワークを余儀なくされている企業も少なくありません。そういった物理的な要因で直接会えない場合は、電話やメール、LINEで謝罪をし、後日改めて直接謝罪するようにしましょう。
怒りのポイントをおさえつつ、早く謝ることが大切!
「同期だからいつでも良いだろう」という考えで、仕事の合間や退勤後などの隙間時間で謝ろうとする人もいるはず。ただ、少し落ち着いて考えてみましょう。もし謝罪相手が上司や先輩だとしたら、こうした考えには至らないはずです。同僚や同期が仕事で忙しく、謝る時間すら作れないのであれば別ですが、そうでない場合は先手必勝で謝りましょう。
また、共に過ごした時間が長い同僚や同期であるほど、怒っているかどうかの判断だけではなく、どういった点で怒っているかも判断しやすいはず。少しでも「怒っているかもしれない」と感じた場合は、その人の怒りのポイントをおさえつつ、謝罪の言葉を述べるべきです。逆にポイントを外してしまったりすると、いくら頑張っても誠意は伝わらず、先手を打って謝罪する意味がなくなってしまいます。上司や先輩に謝るくらいの緊張感を持ちましょう。
【監修】
桜美月●個人向け・企業向けに立ち居振る舞い・ビジネスマナーの研修を行う講師。企業での就労経験を経てビジネスマナーインストラクターの資格を取得、独立。
個々人の良さを最大限に引き出す指導・コンサルティングに力を入れており、現在も執筆、講演、監修、ラジオなどの活動を続けている。
文=トヤカン
編集=五十嵐 大+TAPE
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