そもそも、上司が残業しているのに先に帰ろうとするのはビジネスマナーとしてNG?
結論から述べると、ビジネスマナーとしてNGではありません。なぜなら付き合い残業は義務ではないためです。「付き合い残業=ビジネスマナー」と感じる上司もいるかもしれませんが、それはその上司の考えであって社則に明記されているわけではありませんので、自分の仕事が終わっていれば、退社するかどうかは個人の自由でしょう。
ただ、問題は「どのようにして後腐れなく残業を回避するか」です。後腐れが残るような断り方は、今後の仕事や人間関係にも影響が出てしまうかもしれません。後述する方法を用いて、後腐れのない断り方を身に付けましょう。
上司に付き合い残業の雰囲気を醸し出されてしまった!後腐れなく 回避するには……!?
どのような会社にも、付き合い残業の雰囲気を出す上司はいます。そのような上司との付き合い残業を回避するためには、闇雲に断ったり強引に帰宅しようとしたりするのではなく、まず上司の性格や考えを把握した上でそれに合った対応を取ることが大切です。
仕事の内容によっては、「明日の朝、早めに出社して手伝います」や「明日の午前中までには頂いた業務を終わらせておきます」といった“提案型”で残業を回避する方法もあります。上司の性格や仕事の内容、状況によってうまく使い分けるのがコツです。
残業できない日は、あらかじめ上司に伝えるべき?
仕事以外のことはプライベートなことです。したがって、上司と部下の関係であったとしても残業できない日を事前に知らせる義務はありません。むしろ、何でもない日に残業できないことだけを伝えてしまうと、上司によっては「仕事への意欲がない」と思われる可能性があるのでおすすめしません。
ただ中には、いちいち残業を断るのが苦手な人もいるはず。そんな人におすすめなのが「日々の会話の中でスケジュールをそれとなく共有する」という方法です。例えば、普段の会話の中で上司に「火曜日は英会話、金曜日は資格勉強のための予備校に通っている」といった話ができれば、上司によっては把握しておいてくれるかもしれません。
また上司と、仕事に対する姿勢や残業についても話し合うことができれば、残業のことで後腐れが残る事態も避けられるでしょう。
時には「何か手伝うことはありますか?」と声をかけることも大切
現代の働き方は、一昔前よりも「多様性」に満ちた時代です。そのため、一昔前は当たり前だった「上司との付き合い残業」といった習慣も、人によっては悪しき習慣として捉えるようになり、同時に「自分の仕事さえ終われば良い」という考えも浸透しつつあるようです。
もちろん、そのような仕事観が間違っているわけではありません。ただ企業に属している以上、仕事は1人で完結しないもの。チームワークやお互いの助け合いが必要不可欠です。それによって仕事における信頼関係が築かれることもあるため、上司には「何か手伝うことはありますか?」と自主的に声をかけた方が良いでしょう。上司が大変そうにしていればなおさら。自分の仕事に余裕がある時には「他に何かできることはないか」と考え、声をかけるのも1つのチームワークです。
もし聞いてしまったことで残業させられるのが不安な人は、「○○時から予定があるので、○○分までであればお手伝いできるのですが、何かございますか?」と時間を決めても良いかもしれません。そうすれば上司もその時間に見合った仕事を振ってくれるでしょうし、時間内に終わらなくても「後はやるから大丈夫」と引き取ってくれるはずです。
残業1つで上司と尾を引く関係になることは、誰も望んでいません。それらを踏まえて「自分は上司とどうありたいのか?」を考えて行動することも大切です。
監修者=桜美月
個人向け・企業向けに立ち居振る舞い・ビジネスマナーの研修を行う講師。企業での就労経験を経てビジネスマナーインストラクターの資格を取得、独立。
個々人の良さを最大限に引き出す指導・コンサルティングに力を入れており、現在も執筆、講演、監修、ラジオなどの活動を続けている。
文=トヤカン
編集=TAPE
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