CCにより大量メールに追われてしまう! ビジネスメールの整理術&時短のコツをプロが解説!

知らないうちに増えていくビジネスメール。メールのCCやメーリングリストに入れられたために、メールが大量に届き、対応に追われている人も多いのではないでしょうか。多い人は1日300通以上届き、重要なメールを見落とすなど、業務に支障が出てしまうことも。そこで今回は、一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんに、効率的なメール整理術を伺います。

重要なメールは受信トレイに残す!

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届いたメールをフォルダ分けする方法はいくつかありますが、平野さんが推奨するのは、受信トレイに優先度の高いメールを残す方法。具体的な手順は以下です。

  1. メルマガ、営業メール、SNSの通知など、仕事に関係のない優先度の低いメールは、別のフォルダを設置して自動振り分け機能を設定。各フォルダへメールが自動で分類される。
  2. 優先度の高いビジネスメールだけが受信トレイに残る。
  3. 古いメールから順番に確認して返信していく。

メールの見落としを防ぐために、案件や取引先ごとにフォルダを分類する人もいると思いますが、そこにはデメリットが。それは、どのメールから対応すればいいのか、開封して優先順位をつける必要があるということです。それよりも、受信トレイに届いた古いメールから順番に対処する方がはるかに効率的で無駄がない、と平野さんは話します。

過去のメールを見返す時には、メールソフトの検索機能を使えばすぐに確認することが可能。細かくフォルダ分けをするよりも、時間の節約になります。

また、重要度の低いメールについては、「SNS」「メルマガ」などのフォルダを設定し、自動振り分け機能を活用するのがオススメです。その中でも優先順位の高いものから順番に、上から下へ並べるようにしましょう。フォルダの並び順を手動で変えられるメールソフトもありますが、自動の場合は、01、02、03…など番号を振っておくと管理しやすくなります。

即レスしなくてもOK! メールのチェック時間を決める

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受信トレイに届いたメールは、古い方から返信していきますが、その際に重要なのは「メールのチェック時間」を決めること。メールは受信後すぐに返信する、いわゆる“即レス”が基本だと考えがちですが、それにとらわれる必要はありません。

一般的な業務で、受信から半日〜1日後のメール返信で、相手が不快に感じることはまずないでしょう。「出社時」「昼食後」「退社時」など、あらかじめチェックする時間帯を決めれば、集中して他の作業に取り組むことができます。

また、大量のメールを管理するためには、フォルダごとに分類するだけでは不十分です。業務に関係のないメールが届かないように、あらかじめ設定することも必要になってきます。それでも受信トレイに不要なメールが頻繁に残る場合は、送信者にその旨を丁寧に伝えるようにしましょう。

特に多いのは社内のCCメールですが、途中報告に関しては不要であれば共有から外すように担当者へ依頼することも対処法の一つです。

社外の場合は、名刺交換をきっかけに営業メールが届くこともありますが、その場合には「仕事で使っているメインのアドレスなので」と、使用頻度の低いアドレスを伝えることも検討してみてはいかがでしょうか。

そして、メールをサーバーに保存している場合、容量不足のためメールが受信できなくなることがあります。それを解消するため、メール消去の作業が必要になることがあります。時間の無駄なので、容量の大きいクラウドサービスを活用するようにしましょう。PCが故障した時に、重要なメールデータを失うことも避けられます。

メールの作成時間を短縮して効率アップ!

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大量のメールを業務時間内に処理するためには、返信メールの作成時間を短縮することも重要です。メールの文章を速く作成するための方法は以下の2つです。

  1. タイピングのスピードを速くする。
  2. 頻繁に使用するワードを単語登録(辞書登録)して、すぐに書き込めるようにする。

タイピングのスピードを速くすることは難しいですが、単語登録はすぐに取り組むことができ、かなりの時短につながります。メールは定型文の組み合わせなので、冒頭のあいさつ、自己紹介、結びの言葉を何パターンか登録しておくことで、打ち込む文字数が大幅に少なくなります。

打ち間違いを防ぐことにもつながるので、積極的に取り入れるようにしましょう。定型部分で時間を節約して、メールの中身をじっくり考えることができます。

また、メール作成時はデスクトップ通知を止めるのがオススメです。受信メールやアプリの通知が目に入ると、そちらに気を取られてしまうからです。メール作業中は文章作成に集中するようにしましょう。

それから、メール送信時には関係者をCCに入れることもあると思いますが、CCメールは読まれないこともあります。「CCに入れたから安心」ではなく、重要なことは個別で連絡するようにしましょう。

大量のメールで困っている時には「フォルダ分け」だけではなく、不要なメールを届かないようにしたり、返信スピードを上げたりしながら、総合的に考えて対処するようにしてくださいね。

 

文=平原健士(iPPON COMPANY GROUP)
編集=野田綾子+TAPE

【監修者プロフィール】

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平野友朗
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事
株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役
ビジネスメール教育の第一人者。メールマナーに関するメディア掲載1000回以上。メールスキル向上指導、メールのルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修は年間150回を超える。著書は『テレワーク時代のメール術』(WAVE出版)など31冊。

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