- 仕事で失敗したらすぐにやるべき対処法とは?
- 仕事の失敗の対処後に取るべき行動とは?
- 仕事で失敗をしてしまう原因とは?
- 仕事で同じ失敗を繰り返さないための改善策とは?
- 失敗して落ち込んだときの立ち直り方は?
- 失敗をマイナスのままにしないために
重要な商談に遅刻してしまった、数字の間違いで会社に損害を与えてしまった…。仕事で失敗をしてしまうと、動揺して対応や解決策について頭が回らなくなりがちです。そこで今回は、仕事で失敗してしまったときの対処法や解決策について、組織活性化コンサルティング会社代表で、ストレスマネジメントやメンタルヘルスなどの個人心理に関する書籍も多数執筆している、相場聖さんに伺った話をもとに解説します。
仕事で失敗したらすぐにやるべき対処法とは?
仕事で失敗してしまったとき、すぐにやるべきことは次の4つです。
上司にすべてを報告する
具体的にどのような失敗をしてしまったのか、何が起きたのかを上司に報告しましょう。その際、ありのままを素直に話すことが大切です。
人はどうしても自分をよく見せようとしてしまう傾向があります。自己弁護せず、客観的に何が起きたのかを正確に伝えるようにしましょう。
対応について指示をあおぐ
報告が済んだら、上司に対応についての指示をあおぎましょう。このとき気をつけたいのは、自分だけで判断しないこと。失敗をしてしまったとき、「どうしたら失敗を無かったことにできるだろう」「一人でなんとかごまかせないだろうか」と考える人は少なくありません。
しかし、会社として業務を請け負っている以上、下手な対応は会社の評判やいっしょに働く同僚にも影響します。素直に上司に相談し、指示を受け入れましょう。
社内・社外の関係者に謝罪する
自分がした失敗について、社内・社外の関係者に謝罪します。謝罪をするうえで、テクニックを駆使して「とにかく今をうまく乗り切ろう」といった場当たり的な対応はやめましょう。言い訳は絶対にせず、誠心誠意謝ることが大切です。
結果を上司と社内関係者に報告する
失敗したこと、失敗への対応、その一連の結果を上司と社内の関係者に報告します。その際、仮説でも良いので「どうすれば失敗が防げたのか」という自分なりの改善策も用意しておきましょう。
仕事の失敗の対処後に取るべき行動とは?
失敗した直後の対処を終えたら、次に取るべき行動は下記の3つです。
失敗の原因を振り返る
失敗の内容を振り返って、原因を究明しましょう。原因を明らかにすることで同じ失敗を防ぐことができます。
(例)
失敗の内容:取引先からの発注を受けていたのに忘れてしまっていた。
原因:同時並行でタスクを進めていて混乱したから。
失敗の共通点を探す
過去にいくつか失敗をしている場合、それらの共通点を探すことで自分が苦手としている傾向が見えてきます。
(例)
過去の失敗①:上司から書類作成の指示を受けたあと、すぐにメール返信をするように新しい指示が入り、最初の指示を忘れてしまった。
過去の失敗②:書類作成中に顧客から電話がかかってきて、連絡の内容をメモせずに元の業務に戻ってしまった。
見えてきた共通点:マルチタスクが苦手だという傾向が分かった。
解決思考の習慣をつける
解決思考とは、「同じ失敗を繰り返さないためには、具体的にどんな対策が必要か」を考えることです。逆に、「なぜあんなことをしてしまったのか」と原因を探ることは問題思考と呼びます。
「だから自分は失敗するのだ」と問題思考で終わらせるのではなく、解決思考で「次、同じ失敗を繰り返さないためには、具体的に今日から何をするべきか?」と再発防止に取り組むことが、ビジネスパーソンとして必要な対応であるといえます。
(例)
失敗の内容:取引先からの発注を受けていたのに忘れてしまっていた。
解決思考で導き出した対策:発注の連絡が入ったら、今取りかかっている作業はストップして、メモを取るか上司に報告するなどして、発注作業をとにかく進めるようにする。
このように、「具体的にどう行動するか」というレベルまで落とし込んでルールを作っておくと、同じシチュエーションが訪れた際にスムーズに動けるようになります。
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仕事で失敗をしてしまう原因とは?
仕事で失敗をしてしまう人には共通点があります。どのような点に気をつければ良いのか、あらかじめ知っておきましょう。
場当たり的な対応をしている
失敗したら「やってしまった…」と後悔して終わり、という場当たり的な対応をしていると失敗を繰り返す原因となります。失敗しがちな人ほど、繰り返さないための仕組みづくりや解決策を考えていないことがほとんどです。
メモを取っていない
「言われたことくらい覚えていられる」と思っても、さまざまな業務をしているうちに忘れてしまうことは少なくありません。記録を残さないことは、記憶違いや勘違いの根本原因となります。
分からないことを質問できない
分からないことを質問できず、自分の判断で業務を進めていないでしょうか。業務内容を理解しきれていない場合、「何が分からないのかが分からない」という状態になることも少なくありません。
責任感や主体性が欠けている
自分に任せられた業務なのに、責任感や主体性に欠けている場合も失敗をしやすくなります。「誰かがカバーしてくれるだろう」と思い込むのは危険です。
確認を怠っている
失敗に直結するのが確認不足です。漠然と業務を進めていると、抜けや漏れ、認識違いなどを引き起こす原因になります。
仕事量と自分の処理能力が釣り合っていない
人にはそれぞれ処理能力の限界があります。この処理能力と仕事量が釣り合っていないと、確認不足や判断ミスが増え、失敗しやすくなります。
十分な休息が取れていない
心身の状態が整っていなければ、失敗を起こしやすくなるのは当然のことです。前述した仕事量とも関係するので、併せて見直しが必要です。
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仕事で同じ失敗を繰り返さないための改善策とは?
仕事で同じ失敗を繰り返さないための改善策を解説します。
失敗したことを記録しておく
失敗は忘れたくなるものです。誰だって嫌なことは思い出したくありません。しかし、同じ失敗をしないよう記録をしておきましょう。「いつ」「どんな原因で」「どのような結果になったか」「その後の対応」など、できる限り細かく記録しておくことが重要です。
日々の業務を振り返る
日々の業務を振り返り、チェックリストを作っておきましょう。チェックをルーティン化することで日常業務の対応漏れを防ぐことができます。
業務を分担する
一人で作業を抱え込むと失敗に気づきにくくなります。業務を分けることで、互いに声をかけやすくなり、抜け漏れが防げます。
ダブルチェックを徹底する
一人では失敗があっても気づけないため、他者からの客観的なチェックを受けるようにしましょう。複数の確認が入ることで、失敗を食い止めることができます。
失敗しないように仕組み化する
前述した「失敗したことを記録しておく」「日々の業務を振り返る」をもとに、改善策ごと仕組み化しておきます。いわば自分専用のマニュアルのようなものです。
失敗が起きたときに一つひとつ対応していては時間がかかり、新たな失敗の原因にもなりかねません。「こういうときはこう対応する」と自動的に判断できるように仕組み化しておくことで、抜け漏れを未然に防げます。
心身を健全な状態に整えておく
心身の状態を整えておくのも失敗を防ぐために大切です。体力が落ちていたり身体に不安なことがあると気になって思考も鈍りますし、心に悩みを抱えていたり焦る気持ちがあったりすると冷静な判断ができなくなります。
マインドフルネスの取り組みなどを日常生活に取り入れ、心身をセルフコントロールする意識を持ちましょう。同時に、十分な休息をとってから業務に向き合うことも大切です。
失敗して落ち込んだときの立ち直り方は?
失敗して落ち込んだときはどうやって立ち直ればいいのでしょうか。その方法をご紹介します。
失敗に対して意味づけをする
失敗をして「やってしまった」と落ち込んだときに大切にしたいのは、「物事を正面からだけではなく、さまざまな角度から見る」こと。
「失敗はつらいこと」と受け止めた上で、「でもこういう学びがあったな」「フォローしてくれた人がいて助かったな」など、失敗に対して意味づけができれば、次第に気持ちを立て直すこともできます。
足元だけでなく未来を見据えてみる
失敗をしている今だけを見て苦しい思いをしている人も多いかもしれません。そういうときにこそ、先を見て考えてみましょう。
「今日は失敗してしまったけれど、2年後までにリカバリーできればいい」「5年後、今日を振り返って失敗しておいて良かったと思えるような仕事をしよう」といった具合です。あえて現在から視点をそらすことで、希望を持つことができます。
「このぐらいは乗り越えられる」と捉える
一言で表すと「なんとかなるさ」という感覚です。誤解してはいけないのは、楽観的な思考とは異なるということ。
失敗すると、人生が終わってしまうのではないかと感じるほどのショックを受ける人が少なくありません。謝罪や回復業務も人によってはストレスです。
そんなときに「このぐらいは乗り越えられる」「大丈夫」と自分を励ますと、やり切った後には「できた!」という達成感につながります。
失敗をマイナスのままにしないために
人間である以上、失敗は必ず起こるものです。大切なのは、起きてしまった失敗に対し、どう向き合って何を学び得るかということ。そして、再発防止策までワンセットで考えることです。
ただし、本記事で解説した改善策を実行しても失敗が続く場合は、そもそも仕事とあなたの適性が合っていないのかもしれません。落ち着いて失敗を客観視し、できること(得意なこと、好きなこと、こなせること)が何なのかを振り返ってみましょう。
監修:相場聖
組織活性化コンサルティング事業を展開する株式会社ヒューマンエナジー代表取締役。株式会社メンタルグロウの代表取締役も兼任。心理の専門家として、多くの企業や官公庁・地方自治体、大学などに対して、メンタルヘルスやストレスマネジメント、チームビルディングやコーチング、モチベーションや対人コミュニケーション、メンタリング、メンタルトレーニングなどに関する教育研修や講演を数多く実施。代表著書は『ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくり方』。
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