気分転換をしてリフレッシュ!前向きな気持ちを取り戻すおすすめの方法を紹介

気分転換は、イライラしているときや集中力が切れたときなど、マイナスな感情に支配されているシーンで効果を発揮します。本記事では心理学の専門家監修の下、仕事中・休日それぞれにおすすめの気分転換方法を解説します。

仕事中にリラックスする様子

思うように仕事が進まない、イライラして業務に支障が出ている……。そんなときに効果的なのが気分転換です。とはいっても、うまくできないという人も多いのではないでしょうか。今回は、公認心理士の川島達史さんに伺ったお話を基に、気分転換が必要なシーンやメリット、仕事中・休日におすすめのリフレッシュ方法について解説します。

どんなときに気分転換が必要?

仕事でストレスを抱えている様子

忙しい仕事の合間にも気分転換は必要です。では、具体的にどのようなシーンで必要となるのかを見てみましょう。

イライラしているとき

社内の人や取引相手に文句を言いたくなっているとき、気持ちがカッと高ぶっているときなど、イライラしているときは気分転換をするべきです。気持ちを切り替えられないまま相手と接してしまうと、どうしてもけんか腰になってしまい、トラブルに発展しかねません。

勢いあまって暴言を発してしまうと、雰囲気を悪くしたり、関係性を悪化させたりしてしまう可能性も。一瞬の苛立ちからきた行動であっても、一度失った信頼を取り戻すのは難しいものです。そのような事態を未然に防ぐためにも、イライラを自覚したら気分転換をするようにしましょう。

集中力が切れたとき

同じ作業を繰り返すような単純作業が続くと、作業内容への興味が薄れて集中力が切れてしまいがちです。また、仕事の難易度が低く自分の能力が発揮できていないケースでは、やりがいを見出せないため一日が長く感じ、結果として集中力が散漫になってしまうことも。

肉体的に疲れているとき

残業続きで休息できなかったり、睡眠時間が足りなかったりすると、肉体的な疲労が蓄積してしまいます。体と心は密接に関係しているので、体のコンディションが整っていないと集中力の乱れが生じることがあります。先述した「集中力が切れたとき」に当てはまる場合、肉体的な疲れのサインも疑ってみたほうが良いかもしれません。

気分が落ち込んでいるとき

仕事で失敗が続いた、大きな損失を出してしまった、資格試験に落ちてしまった、などマイナスのショックが続いているときはネガティブな判断を下しやすくなります。

例えば、勢いに任せて退職や転職を決断してしまうなどです。「どうして辞めてしまったんだろう……」と後悔しないためにも、いったん気分転換をして冷静になることを心がけましょう。

アイデアが煮詰まったとき

企画立案や商品開発、デザインなどのクリエイティブな仕事をする際、「いくら考えても新しいアイデアが浮かばない……」と悩む人は多いはず。そんなとき、気分転換はアイデアを生み出す起爆剤になることがあります。

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気分転換をするメリットは?

気分転換でスッキリしているイメージ

気分転換をするとどのようなメリットが得られるのでしょうか。仕事にプラスとなる効果を4つご紹介します。

前向きなアイデアが生まれる

ポジティブな気分のときは、創造的で前向きなアイデアが浮かびやすくなります。これは心理学で「気分一致効果」と呼ばれている現象です。

例えば、誰かを楽しませるエンタメ系の仕事の場合、「今は気分が落ち込んでいるかも」と気づいたら気分転換をして、明るい気持ちに切り替える術を持っておくと良いでしょう。

視野が広くなる

気分転換によってリラックスした状態になると、物事を判断するための視野が広くなります。視野が広いとは、思考や知識の幅があって物事を多角的に捉えられるということ。どのような仕事においても必須のスキルといえます。

人間関係が良好になる

精神的に安定している人は、周囲の人から信頼されやすいものです。人間関係に起因するトラブルが少なければチームワークが良くなり、スムーズに仕事を進められるでしょう。

心が安定して疲れにくくなる

心理的なストレスが蓄積すると血圧が上がりやすくなります。つまり、ストレスを溜め込まないよう意識的に気分転換をすることで血圧を下げ、体の負担を軽減させることで疲れにくい体を手に入れられます。

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実は逆効果!?やってしまいがちなNG気分転換方法

「NG」のイメージ画像

多くの人がついやってしまいがちな「NG気分転換方法」をチェックしましょう。身に覚えのある人は要注意です。

スマートフォンを見る

スマートフォンそのものは悪ではありませんが、その“使い方”には気をつけなければいけません。

要注意なのがショート動画の視聴です。次から次へと刺激的なコンテンツが流れ込むと脳は興奮状態に。息抜きのために見ていたはずの動画によって、実は脳の休息時間を奪われてしまっているのです。

動画の視聴後に別の関連動画が再生されないように、あらかじめ自動再生機能はオフにしておきましょう。

暴飲暴食

過度な飲食が健康に悪影響を及ぼすのは周知の事実です。暴飲暴食の危険性はそれだけに留まりません。

マイナスの気分を打ち消すために強い快楽を得る癖がついてしまうと、依存状態に陥りやすいといわれています。気分が落ち込むたびに暴飲暴食を繰り返すようになり、肥満を引き起こして健康を損ね、集中力も低下するという悪循環を招きます。

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仕事中にできるおすすめの気分転換方法

デスクの掃除をする様子

仕事の合間に取り入れやすい、短時間でできるおすすめの気分転換方法をご紹介します。

デスクの掃除をする

気分の乱れと同調するかのように、身の回りが乱雑になっていることが多々あります。まずは心を落ち着けるためにも、仕事環境の大半を占めるデスクをきれいにしましょう。

掃除のメリットは必ず成果が出るところ。目に見えて片付けが進んだり、清潔になったりすると、心までスッキリするはずです。

PCのデータを整理する

データ整理のような単純作業は脳を休める効果があります。集中力が切れたときや複雑なことを考えられなくなったときにおすすめです。

ストレッチをする

心が緊張状態にあるときは、体も強張ってしまいがち。背伸びをしたり、立ち上がって筋を伸ばしたりして体を脱力状態にしましょう。

深呼吸する

気持ちを落ち着けたいときの代表的な方法ですが、医学的にもストレスを軽減する作用が認められています。イライラや緊張を感じたときには、手軽に行える6秒呼吸法や、より深くリラックスできる3分呼吸法を試してみてください。

  • 6秒呼吸法:3秒かけて鼻から息を吸い、3秒かけて口から息を吐く。
  • 3分呼吸法:5秒かけて鼻から息を吸い、2秒ほど息を止め、10秒かけて口から息を吐く。これを3分間繰り返す。

仕事の優先順位リストを作る

気持ちが乱れているときは、今何をすればいいのか分からずパニックになっていることがあります。そんなときは、目の前にある1つ1つのタスクを丁寧に仕分けして、優先順位をつけながらリストアップしましょう。気持ちが落ち着くとともに、今やるべきことが見える化できて一石二鳥です。

目をつむったり、仮眠を取ったりする

PC画面を見続けていると、目の疲れが蓄積してしまいます。定期的に目をつむって休めるよう意識しましょう。

また、可能であれば30分以内の軽い仮眠をとるのもおすすめです。仕事中の短い昼寝はパワーナップ(積極的仮眠)と呼ばれ、厚生労働省も作業効率アップに効果的であるという見解を示しています。

<関連記事>パワーナップ(積極的仮眠)とは?昼寝の効果で仕事効率もアップさせよう

仕事の成果を把握する

失敗が続いて気分が落ち込んでいるときは、良い意味で失敗から目を背けることも大切です。これまでの自分の成果を思い起こして、少しずつ自信を取り戻して気分を切り替えましょう。

BGMを流す

仕事中に音楽を流すと作業効率がアップする人は一定数います。歌詞の有無や曲調などは好みの幅があるので、自分に合ったBGMを探してみてはいかがでしょうか。

休日に取り入れたいおすすめの気分転換方法

休日に友人と会話を楽しむ様子

続いて、休日にたっぷりと時間をとって取り組むのに最適な気分転換方法をご紹介します。

家族や友達と話す

信頼できる家族や友達に、自分が抱え込んでいる悩みやモヤモヤを話してみましょう。孤独な状態はストレスが溜まる一方で、気分転換をしにくくなります。軽い雑談程度でも誰かと会話をするだけでリフレッシュできるはずです。

部屋に日光を入れる

休日の朝、目覚めたらカーテンを開けて日光を取り入れてみてください。日光を浴びると脳内物質のセロトニンが分泌され、精神を安定させたり、頭の働きを良くしたりといった効果が期待できます。

部屋の掃除をする

掃除の効果については、先述した「デスクの掃除をする」と同様です。仕事に追われているとなかなか部屋の掃除が行き届かなくなり、雑然とした空間で生活することにストレスを感じている人は多いことでしょう。休日に部屋の汚れをリセットすることで、心もスッキリとリフレッシュできるはずです。

入浴する

自宅の湯船にゆっくり浸かったり、銭湯やサウナへ出かけたりするのは、もはや定番の気分転換方法のひとつ。体が温まると血流が促進され、疲れが取れてスッキリします。

旅行する

物事がうまくいっていないときは、視野が狭くなってしまいがち。そんなときこそ、知らない土地に出かけて見聞を広げましょう。自然の雄大さを感じたり、まったく異なる価値観に触れたり。そんな新鮮な体験が気分を切り替えてくれます。

マインドフルネス

マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向けて自分の感情を客観視すること。冷静になる習慣づけや、感情のコントロールでよく行われる手法です。

簡単なやり方としては、目を閉じて自分の呼吸を感じる→自分の体に意識を向ける→自分の感情を観察する、というものがあります。さまざまな方法が提唱されているので、自分に合った方法を調べてみてください。

日記を書く

自分の頭の中にある考えを言語化する作業として、日記を書くのがおすすめです。頭の中に浮かんだ考えは消えてしまいますが、言葉として残しておくと記録になり、見返すことができます。これにより、思考がどんどんブラッシュアップされて前へ進んでいく感覚が得られます。

心理療法を知る

ビジネス系の記事でよく取り上げられる「アンガーマネジメント」や「ストレスマネジメント」、先述した「マインドフルネス」などはすべて心理療法の一種です。

心理療法とは、課題に感じている状態(怒りっぽい、ストレスを感じやすいなど)の改善を目的として行うアプローチのこと。世の中にはさまざまな心理療法が広がっているので、自分の状況に合った方法を探してみると良いでしょう。

気分転換の引き出しを増やして、自己管理スキルを高めよう

ここまで、気分転換の重要性をはじめ、仕事中・休日それぞれに実践してほしい気分転換方法を紹介してきました。自分なりにリフレッシュする術をいくつも持っておけば、気分の浮き沈みに左右されずに安定したパフォーマンスを発揮しやすくなります。

強いストレスを感じたとき、仕事がうまくいかないときにこれらの方法を思い出して、うまく気持ちを切り替えながら乗り越えていきましょう。

監修ダイレクトコミュニケーション 代表取締役 川島達史
目白大学大学院心理学研究科を修了し、現在ではコミュニケーション講座の講師として、心理学や人間関係に関するワークを行う。専門は成人のソーシャルスキルが孤独感・対人不安に与える影響。普段は「コミュニケーション講座」の主催や、YouTubeチャンネル「ダイコミュ大学」による情報発信を行っている。

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