「恐縮です」は、「(目上の人の自分に対する厚意に対して)嬉しい・気恥ずかしい・申し訳ない」という意味です。上司に評価されたときや誘いを断るとき、取引先に依頼するときなど、さまざまなビジネスシーンで使用できます。
ただし、重大な謝罪には使わない、二重表現を避けるなどに注意が必要です。本記事で「恐縮です」の意味や例文を解説します。
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「恐縮」とは
恐縮(きょうしゅく)とは、「相手に迷惑をかけたり、厚意を受けたりして申し訳なく思うこと」です。相手に対するおそれを表す「恐」と、身のちぢむ思いを示した「縮」で成り立っています。
会話やメールで使用する際は、「恐縮です」「恐縮ですが」などと表現することが一般的です。
「恐縮です」の意味
「恐縮です」とは、「(目上の人の自分に対する厚意に対して)嬉しい・気恥ずかしい・申し訳ない」という意味です。また、「恐縮ですが」は、「申し訳ないのですが」という意味になります。
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ビジネスシーンにおける「恐縮です」の使い方
「恐縮です」や「恐縮ですが」は自分をへりくだる表現のため、上司や取引先など目上の人に対してさまざまなビジネスシーンで使用できます。ここから、各シーンの使い方を例文と一緒に確認していきましょう。
感謝や謙遜の気持ちを伝えたいとき
上司に褒められると、嬉しい反面どのように答えればよいか戸惑うでしょう。「恐縮です」を使えば、相手に感謝や謙遜の気持ちを伝えられます。
上司に評価されたときの例文
(上司に本日のプレゼンを褒められて)そう言って頂けて、大変恐縮です。
断るとき
目上の人からの依頼や誘いを断る際、直接的に表現すると悪い印象を与えかねません。「恐縮ですが」「恐縮ではございますが」で前置きすることで、丁寧な表現にできます。
上司からの誘いを断るときの例文
(商談成立後、上司から飲みに誘われて)恐縮ではございますが、〇〇の案件を本日中に仕上げなければならないため、今回は遠慮させていただきます。
依頼するとき
相手に頼みごとをする場合、時間や手間をかけて申し訳ないという気持ちを伝えることが大切です。「恐縮ですが」「恐縮ではございますが」で前置きしてから依頼しましょう。
取引先に依頼するときの例文
お忙しいところ恐縮ですが、来週中にご返信いただけますでしょうか。
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「恐縮です」の類語
「恐縮です」や「恐縮ですが」にはいくつも類語があります。それぞれ確認していきましょう。
僭越ながら
僭越(せんえつ)とは、「地位や立場を超えて、出過ぎたことをする」ことです。「僭越ながら」で「地位や立場を超えて、出過ぎたことをしますが(させていただきます)」という意味になります。
「僭越ながら」の例文
目上の人に意見を述べる場面や質問する場面で、相手に失礼のないように「僭越ながら」を使いましょう。
(会議で上司に尋ねることがあるときに)誠に僭越ながら、いくつか質問がございます。
「僭越ながら」の意味や使い方については、以下の記事も参考にしてください。
恐れ入ります(が)
「恐れ入ります」は、相手の厚意に対して「感謝している・申し訳ない」という意味です。また、相手に依頼やお願いをする際に、「恐れ入りますが」を使うこともあります。
「恐縮です(が)」は、そのまま「恐れ入ります(が)」に置き換え可能です。ただし、「恐縮です(が)」の方がより申し訳なさを伝えられるでしょう。また、「恐れ入ります」には、「恐縮です」にはない、「驚き」を示す表現もあります。
「恐れ入ります(が)」の例文
緊急で打ち合わせしなければならなくなった際、「恐れ入りますが」を使ってメンバーに連絡できます。
ご多忙の折恐れ入りますが、本日13時に会議室Aにお集まりください。
痛み入ります
「痛み入ります」は、「相手の言動に対して申し訳ない、恐れ多い」という意味の言葉です。「痛み」は心の痛みのことで、「(自分にもったいないほど)ありがたい」という意味が含まれます。
「痛み入ります」の例文
上司や目上の人に配慮してもらった際、「痛み入ります」を使うとよいでしょう。
(自分が勤めるオフィスまで足を運んでくれた取引先の役員に対して)ご多忙のおり、弊社までお越しいただき誠に痛み入ります。
あいにくですが
「あいにく(生憎)」とは、「不本意である様」の意味です。残念ながら相手の要望に応えられない際、「あいにくですが」と表現します。
「あいにくですが」の例文
取引先からの申し出を断る際、「あいにくですが」を使うことがあります。
(取引先から面談日時を提示されて)申し訳ございません。あいにくご提示いただいた時間に先約が入っておりました。同日の午後はいかがでしょうか。
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「恐縮です」を使う際の注意点
「恐縮です」は目上の立場の相手に使える言葉です。ただし、使い方を間違えると失礼な印象を与えるため、注意しましょう。
謝罪する際は「恐縮です」以外の表現を使う
「恐縮です」は、自分のミスで相手に迷惑をかけた際の謝罪表現としては不十分です。重大な謝罪をする際は、「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」「ご迷惑をおかけしたこと深くお詫び申し上げます」など「恐縮です」以外の表現を使うようにしましょう。
「恐縮に存じます」は二重表現でNG
「恐縮」には、「申し訳なく思う」という気持ちが含まれています。「存じる(思う)」を加えた「恐縮に存じます」は「思う」を重ねているため、二重表現でNGです。
二重表現は敬語を重ねた過剰な表現で、相手に失礼な印象を与えることがあります。
「恐縮です」は相手に迷惑をかけたときに使える言葉
「恐縮です」は、目上の人の自分に対する厚意に対して「嬉しい・気恥ずかしい・申し訳ない」という意味で使う表現です。褒められて感謝や謙遜の気持ちを伝える際、依頼や断りで相手に迷惑をかける際に使います。
ただし、自分の重大な過ちで相手に迷惑をかける場合の言葉としては、ふさわしくありません。意味を十分に理解してから、「恐縮です」を使うようにしましょう。
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