5分で1時間走るのと同効果? インターバルトレーニングで運動不足を解消しよう

オフィスワーカーの悩みの種が、運動不足。特にパソコンを長時間使う仕事の場合、つらい肩こりや首のこりに悩まされがちです。

5分で1時間走るのと同効果? インターバルトレーニングで運動不足を解消しよう

オフィスワーカーの悩みの種が、運動不足。特にパソコンを長時間使う仕事の場合、つらい肩こりや首のこりに悩まされがちです。

そこで今回は、「インターバルトレーニング」というトレーニング方法をご紹介します。短時間で運動不足を回避するこの方法を、トレーニングスタジオ「エバクオーレボディ」の高橋義人さんに教えてもらいました。

インターバルトレーニングって?


そもそもインターバルトレーニングとはどんなものなのでしょうか?

「インターバルトレーニングとは、高い負荷のエクササイズと低負荷のエクササイズを交互に繰り返して行うトレーニング方法です。例えば“1分走って1分休む”を繰り返し行う、学生時代に部活などでよくやった練習法も、インターバルトレーニング。実は今、最新科学によってその効果が解明されている方法なのです。

仕事をする上でスタミナは重要な項目の一つですし、健康やダイエットのためにも重要。そんなスタミナをつけようと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは、ランニングや長時間続けるウォーキングなどではないかと思われます。けれど、忙しいビジネスパーソンには時間がない……そんなときに役立つトレーニングにもなります」(高橋さん:以下同じ)

運動不足にインターバルトレーニングがおすすめな理由


このインターバルトレーニングには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

「インターバルトレーニングのメリットは、“短時間で効率的な効果が見込める”ことです。持久力や脂肪燃焼率に関していえば、5~10分くらいのインターバルトレーニングで、1時間以上ランニングしたときと同じ効果を発揮します。

高負荷と低負荷のトレーニングを繰り返し行い、強弱をつけることがポイント。高負荷のときに心肺機能や筋力が養われ、低負荷のときにアドレナリンや成長ホルモンが大量に分泌されることにより、身体を修復する機能が高まるのです」

この体力アップと修復を短い時間で繰り返し行うことにより、一定のスピードでランニングを行うより、効果が効率的に出るのだそうです。

インターバルトレーニング4つの方法


忙しいビジネスパーソンでも、通勤中や仕事の合間にオフィスで実践できるインターバルトレーニング方法を4つ、高橋さんに教えてもらいました。

1.“メリハリ歩き”インターバルトレーニング


「通勤時や外出時に『大股で3分早歩き』と『自分のペースで3分』を繰り返せば、立派なインターバルトレーニングになります。これを15分~30分程度続けましょう。15分行うと、ランニング40分~60分程度と同等の効果が得られます。

インターバルトレーニングでは、高負荷の運動のとき、この場合は『大股で3分早歩き』のときになりますが、このときの強度(※)は、通常90%くらいの力を発揮させると効果的だとされています。しかし、信州大学の能勢博教授の研究では70%以上の強度で充分効果があることが分かっています。70%の強度とは、少し息が弾む程度です。目安としては、“きつい”と“ややきつい”の中間くらいになります。

※強度とは:運動するとき、きつい・楽と感じるかどうかの強さのこと。

ちなみに、低負荷(自分のペース)のときに息が荒くなるのが、修復効果の証しです。さらに、体幹を強化したい場合は、お腹をへこませながら行いましょう。お腹周りの引き締めに効果大です」

2.“くびれ座り”インターバルトレーニング”


「デスクワークであまり歩く機会のない方も、座りながら実践できる方法が次のものです。

(1)浅くイスに座り、背筋を伸ばし両膝をつけて爪先立ちになる
(2)お腹をへこませる
(3)そのまま、唇をとがらせ、5回小刻みに強く息を吐き、5回小刻みに鼻から息を吸うのを1分行い、15秒休息する
この1分の呼吸と15秒の休息を3~5セット繰り返します。このトレーニングは、お腹周りの引き締めや、ウエストのくびれに効果が期待できますよ」

3.“うしろ肩”インターバルトレーニング


「パソコンやスマートフォンなどを長時間眺めていると、自然と姿勢も悪くなり、太りやすい体質になることも。首や肩甲骨まわりには、“褐色脂肪細胞”という温度調整をする脂肪細胞があります。この脂肪細胞は、熱を生み出すために筋肉の数十倍の熱を出すため、活性化させることで脂肪燃焼効果が見込めます。

“うしろ肩”インターバルトレーニングは、そんな褐色脂肪細胞を活性化しつつ、姿勢も調整し、肩こりなどにも効果的なトレーニングです。

“うしろ肩”の姿勢とは、猫背のように背中が丸まった“まえ肩”とは反対に、背中がピンと伸び、左右両方の肩甲骨が中央に寄っている状態のことです。

パソコンを長時間眺めていると自然と“まえ肩”になりがち。

 

 

気付いたら、両肩を真上に上げて、うしろにくるりと回します。

 

 

最後に腕をストンと落として“うしろ肩”姿勢をつくりましょう。このとき、お尻をしめるのがポイントです」

 



(画像引用:『1日1分「うしろ肩」を回すだけで誰でもやせられる!』高橋義人 講談社より)

4.“肩くるり”インターバルトレーニング


「続いて、“肩くるり”運動も行っておきましょう。くるりくるりと、手のひらを上下に返しながら、大きく腕を回転させるトレーニングです。イスに座った状態でもできますよ。

(1)かかとを合わせ、“うしろ肩”にして立つ

 

 

(2)親指を90度に開き、ひじを曲げないよう、両腕を真横に伸ばし、肩の高さまで上げる

 

 

(3)手のひらを上向きにくるりと返し、両腕をややうしろにグッと引く。肩に痛みのある人は、無理せず胸より前の位置で広げてもOK

 

 

(4)わきをしっかり伸ばして、そのまま両腕をまっすぐ上へピンと伸ばす

 

 

(5)胸を張ったまま、腕を肩の高さまで下ろす。このとき、手のひらは上向き

 

 

(6)そのまま手のひらを下向きに返す

 

 

(7)腕を下げながら、グッとななめうしろへ伸ばす。肩が上がらないように注意。このとき、親指は立てたままに

 



(画像引用:『1日1分「うしろ肩」を回すだけで誰でもやせられる!』高橋義人 講談社より)

この“肩くるり”をできるだけ早いスピードで1分間行い、休息を30秒とるのを3~5セット行いましょう。目の疲れや首こりにも効果的です」

まとめ


忙しくて運動ができない悩みも、これらの手軽にできるインターバルトレーニングなら解決できますし、効率的に運動不足も解消できそうです。ぜひ空き時間に実践してみてください!

著者プロフィール


高橋義人(たかはし・よしと)
「Eva Cuore Body」主宰 /エイジングケア パーソナルトレーナー
1976年東京都生まれ。大手フィットネスクラブを経て、医療とトレーニングの融合、コナミスポーツの試験的パーソナルトレーナー導入等に携わる。その後ストレッチマッサージの技術を磨き、幼児体育のカリキュラムも考案。2011年「10年先の身体のために今できること」をテーマに、体の機能美を追求するオーダーメイドトレーニングサロン「Eva Cuore Body」(エバクオーレボディ)を設立。延べ年間2,000人以上のパーソナルトレーニングを手掛ける。理論に裏打ちされた機能的な体づくりは、オリンピック選手から芸能・美容関係者まで幅広い支持を得ており、NPO法人パートナーストレッチ&コンディショニング協会理事も務め、テレビや女性誌など、多数のメディアに取り上げられている。

※この記事は2016/01/06にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています

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