肩こり、腰痛、倦怠感は“足”が原因なことも?
與那嶺さんによれば、足は全身の健康に関わる、重要な役割があるといいます。
「足は“第二の心臓”と呼ばれていますが、それはただ足が人間にとって大事だからという理由だけではありません。心臓は全身に動脈を通じて血液を送り込むことで酸素と栄養素を供給したり、静脈を通じて体中から老廃物を持ち帰り、腎臓でろ過して尿として排出したりしています。足は、心臓がそうして身体の末端まで送りだした血液を、心臓に戻す役割を担っているのです。
しかし、足がこりかたまっていると、血液循環が滞り、酸素や栄養素が体中に行き渡らなくなることで、肩こりや内臓の不調が起きてきます。よって、足をもんでほぐすと、血液循環が良くなり、血液が肩周辺の筋肉に留まる“肩こり”が解消されたり、栄養が全身に行き渡ることで、疲労回復効果が得られたりするのです」(與那嶺さん:以下同じ)
足をケアして疲労回復する3つの方法
そこで、足をケアして疲労回復する方法を3つ教えていただきました。
(1)ゴルフボールなどの球体を床の上で踏み転がす
「足の裏は、いろいろな臓器につながっています。ゴリゴリと踏んでもみほぐすことで、血液循環が良くなります。やっているうちに、足がぽかぽか温まり、寝付きが良くなったり、熟睡できるようになったりしたという方もいます」
(2)手の指を足の指に入れて、ゆっくりと足首をぐるぐると回す
「足首を大きく回すことで、ふくらはぎもほぐされます。足全体の血行を良くする方法です」
(3)“反射区”を親指の腹で滑らせてもむ
「足裏や足の側面・足の甲には、『反射区』と呼ばれるものがあります。反射区とは、胃や肩の筋肉など、それぞれの臓器や部位と神経を通じて反射している末梢神経の集まりのことです。この反射区をもむことで、筋肉が楽になったり、内臓の働きが活性化したりします。
例えば、肩こりの場合は『僧帽筋』と呼ばれる肩の筋肉のコリが原因であることが多いので、僧帽筋の反射区をもみほぐせば、肩こり解消につながるというわけです。
やり方は、反射区表を見ながら、ハンドクリームなどを手につけて、気になる反射区で親指の腹をすべらせたり、親指の腹でもんだりします。これだけでだいぶ変わってきますよ」
靴の選び方や歩き方にも気を付けよう!
疲労をためないために、普段からできる工夫も伺いました。
「足の疲労をためないためには、靴の選び方や歩き方に注意することがポイントです」(與那嶺さん)
●靴の選び方
「25cm、26cmなどといった靴の長さより、幅を重視しましょう。長さがピッタリでも、幅が広すぎたり、狭すぎたりすると、歩いていてすごく疲れます。靴の中で足が滑ったり、指で踏ん張ろうとすると、巻爪や外反母趾、開帳足(ウオノメの原因)になったりすることもあるんです。
例えば、紐付きスニーカーの場合には、試し履きをしたときに、つま先からかかとまでの長さも、足の幅もフィットする大きさのものを選び、その上で紐をしっかり縛るようにしてください。脱ぎ履きするときは、横着せず、紐を一回一回ほどいたり結んだりする習慣をつけましょう。正しい靴を選ぶと、膝や腰への負担が軽くなりますし、足トラブル防止にもつながりますよ」
●疲れない歩き方
「ポイントは、歩幅を大きくしないことです。大股で歩くと、体の重心が後ろになるため、腰や膝に負担がかかってしまいます。特に膝が曲がりがちになるので、足が疲れやすくなります。歩幅は狭くして、小股で歩くようにしましょう。そうすることで重心が前になるので、腰や膝に負担がかかりにくくなります。また、足にしっかりと体重をかけることができ、膝も伸びた状態で歩くことができるので、疲れにくくなります」
まとめ
足がここまで全身の健康に大きく関わっているとは驚きですね。少し疲れ気味だなと感じたら、ぜひ足ケア法を実践してみましょう。また、普段履いている靴や歩き方を見直すことで、不調を未然に防ぐことも大切です。ぜひトライしてみてください。
識者プロフィール
與那嶺茂人(よなみね・しげひと) 1965年生まれ。足つぼ(台湾式リフレクソロジー)やフットケアの専門店「ドクターフット」の副院長。多数のTVやメディア出演経歴がある。
※この記事は2015/11/18にキャリアコンパスに掲載された記事を転載しています
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